グーグル(Google)は、有機廃棄物処理を手掛けるエーエムピー(AMP)と、2030年までに20万トンの炭素除去(CDR)を購入する契約を締結した。この提携は、カーボンクレジットの調達にとどまらず、強力な温室効果ガス(GHG)であるメタン排出の抑制についても共同で取り組むものだ 。
エーエムピー(AMP)は、人工知能(AI)を活用した選別システムを専門としており、都市固形廃棄物からリサイクル可能な資源や有機物を回収している。同社はこの有機廃棄物を原料としてバイオ炭を製造し、高品質なCDRクレジットを創出する 。
今回の提携で生成される高密度の二酸化炭素(CO2)を含むバイオ炭は、当初、埋め立て地の覆土として使用される予定だ。これにより、浸出水のろ過や臭気の軽減に加え、メタンガスの放出を防ぐ効果が期待されている。さらに、エーエムピーは将来的に、このバイオ炭を建設資材やセメントなどの他分野へ応用することも視野に入れている。
エーエムピーにとって、今回のグーグルとの合意は、バージニア州南東部公共サービス局(Southeastern Public Service Authority of Virginia、以下SPSA)と締結した20年間の提携に続く重要なステップとなる。グーグルの支援により、エーエムピーとSPSAは、米国最大級のリサイクル・プロジェクトにおいてバイオ炭の生産能力を増強することが可能となった。
このプロジェクトでは、今後20年間で500万トンの有機廃棄物をバイオ炭に転換する計画だ。米国環境保護庁(EPA)によると、埋め立てられた都市廃棄物は、米国における人間活動由来のメタン排出源として第3位を占めており、この対策は急務となっている。
グーグルとエーエムピーは共同で、廃棄物の転換とバイオ炭による炭素除去(CDR)を組み合わせることで達成されるメタン排出削減量の測定・報告・検証(MRV)のための枠組み構築にも取り組む 。
エーエムピーの創設者兼最高技術責任者であるマタニア・ホロウィッツ(Matanya Horowitz)は、「廃棄物業界は本来、素材から価値を回収するために構築されている。バイオ炭を活用することで、主要な排出源である有機廃棄物を、自治体や廃棄物業者にとっての長期的な耐久性を持つ炭素貯蔵資産に変えることができる」と述べた 。
また、グーグルのカーボン除去プログラム・マネージャーであるレイリー・オハラ(Reilly O’Hara)は、「埋め立て地からの廃棄物を転換し、2030年までに20万トンのCO2を除去する。このアプローチが、短期的にはCO2の80倍以上の温室効果を持つメタンをいかに抑制できるかを探求していく」と強調した。
グーグルによる今回の20万トンという大規模なCDRクレジット購入は、埋め立て地という既存のインフラを負の遺産から「炭素貯蔵庫」へと転換させる画期的な事例である。
日本国内でも食品リサイクルや廃棄物処理におけるメタン対策は重要な課題であり、AI選別とバイオ炭を組み合わせた本モデルは、自治体や廃棄物関連企業がカーボンクレジット市場へ参入する際の強力なベンチマークとなるだろう。