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UNFCCC専門家パネル、CDM由来の再エネ方法論改定案を監督機関に勧告

2026.07.02 読了 約3分
UNFCCC専門家パネル、CDM由来の再エネ方法論改定案を監督機関に勧告
出典:イメージ

UNFCCCの方法論専門家パネル(MEP)は、6月22日から26日にボンで開いた第14回会合で、CDM方法論ACM0002とAMS-I.D.を改定した新方法論を監督機関(Supervisory Body)が採択するよう勧告することで合意した。会合報告書(A6.4-MEP014)は7月1日付で公表されている。

対象のACM0002は大規模、AMS-I.D.は小規模のグリッド接続再生可能エネルギー発電を扱うCDM方法論である。両方法論は2019年以降、主要ボランタリー市場のレジストリがLDC(後発開発途上国)を除いて新規案件の受け入れを原則停止してきた経緯があり、ICVCMのコアカーボン原則(CCPs)承認リストにも入っていない。追加性への懐疑が根強い方法論群の改定だという点は、押さえておく必要がある。

MEPは審議の過程で、ベースラインの下方調整の算定方法を見直した。従来のCO2換算トンによる絶対値ベースから相対値ベースへ切り替え、活動年ごとの排出削減量や除去量の増減を反映しやすくする改訂である。数値例を示す附属書も新たに加えた。

MEPは同じ会合で、家庭用調理のエネルギー効率化に関する別のドラフト方法論の採択も勧告した。ただしこちらは、サンプリング・調査ツールやリバーサルリスク評価ツールなど複数の関連方法論標準が監督機関の承認を得ることが前提になっている。

いずれの勧告も、監督機関による正式な採択を経て初めて発効する。今回の報告書に、監督機関の審議時期についての記載はない。MEPの次回会合(第15回)は7月22日から23日にオンラインで開催予定だが、これも監督機関の確認が条件になっている。

編集部の視点

今回の勧告は、CDM方法論の高品質化に向けた調整であって、市場構造の転換点ではない。

ベースライン下方調整を相対値ベースに切り替えた判断は、活動ごとの排出削減量や除去量の変動を踏まえた実務的な改善だ。PACMがCDM由来の方法論をそのまま引き継ぐのではなく、条件を付けながら段階的に精緻化していく姿勢がここに表れている。

ただし、ACM0002とAMS-I.D.そのものの追加性に対する業界の懐疑は、今回の改定で解消されたわけではない。ベースライン算定手法の精緻化は品質担保の一部にすぎず、これらの方法論に基づく活動がICVCMの基準や主要ボランタリー市場の判断基準と整合するかどうかは、別に検証を要する。

監督機関がこの勧告をどう扱うか、その審議過程こそが、CDM遺産方法論に対するPACM全体の品質基準を左右する試金石になる。

参考:https://unfccc.int/sites/default/files/resource/A6.4-MEP014.pdf

カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。