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シーヴイテック九州、佐世保九十九島の藻場造成プロジェクトでJブルークレジットを購入

2026.03.11 更新 2026.05.12 読了 約3分
シーヴイテック九州、佐世保九十九島の藻場造成プロジェクトでJブルークレジットを購入
出典:イメージ

株式会社シーヴイテック九州は2026年3月9日、長崎県佐世保市が推進するブルーカーボン由来のカーボンクレジット創出事業「~みんなでつくる佐世保九十九島の藻場造成~」を通じて創出されたJブルークレジットの購入を完了したと発表した。

国内製造業がブルーカーボンを活用したカーボンクレジット市場に参画する事例として注目される。

Jブルークレジットとは何か

Jブルークレジットは、海草・海藻の藻場や干潟などに蓄積されるブルーカーボン(海洋生態系による炭素隔離)を定量化し、CO2削減量として認証・発行される日本独自のカーボンクレジット制度である。自然由来のカーボンクレジットの一形態であり、海洋環境の保全と気候変動対策を同時に達成するコベネフィット(Co-benefit)が評価軸となっている。

認証・発行・管理は、国土交通省認可の技術研究組合であるジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE: Japan Blue Economy Association)が担っており、独立した第三者委員会の審議を経てクレジットが認証される。

九十九島藻場造成プロジェクトの概要

対象海域である九十九島は、長崎県北部に位置し、208の島々と複雑なリアス式海岸からなる国立公園内の海域である。近年、磯焼けの進行により藻場の大幅な後退が確認されており、CO2の炭素隔離機能とともに水産資源の産卵・育成環境の喪失が課題となっていた。

本プロジェクトでは以下の手法を組み合わせた藻場回復活動が継続的に実施されている。

  • ウニの除去およびウニフェンスの設置による藻場への食害防止
  • ホンダワラ類の母藻設置による海藻群落の自然再生促進
  • アマモ種の播種による海草藻場の拡大

これらの取り組みを通じて吸収・固定されたCO2量がJブルークレジットとして認証され、今回シーヴイテック九州が購入した。

製造業によるブルーカーボン活用の意義

シーヴイテック九州はアイシングループの九州拠点として、自動車部品の製造・販売を行う事業者である。今回のJブルークレジット購入は、同社のScope1・Scope2排出削減に向けたカーボンオフセットの一環、あるいはCSR・地域貢献活動の文脈での参加とみられる。

同社はプレスリリースにおいて「地域の環境保全に取り組む一助となるよう本活動へ参加した」と表明しており、カーボンクレジット市場における価格や購入量の詳細は開示されていない。

国内製造業によるJブルークレジットの購入は、GX-ETSフェーズ2に向けたカーボンクレジット需要の多様化という文脈で評価できる。ブルーカーボンを活用したカーボンクレジットは測定・報告・検証(MRV)手法の整備が課題とされてきたが、Jブルークレジット制度の普及により地域密着型のカーボンクレジット市場が拡張しつつある。

海運大手がブルーカーボンへの関心を高める中、沿岸地域の藻場保全を通じた自然由来のカーボンクレジット創出は、Scope3削減に向けたサプライチェーン全体での調達選択肢としても今後注目が高まるだろう。

参考:https://www.aisin.com/jp/group/cvtec-kyushu/archives/2391

カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。