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米EPAがコロラド州のCO2貯留プロジェクトに「クラスVI」許可案を発行CCSの社会実装を加速

2026.03.19 読了 約3分
米EPAがコロラド州のCO2貯留プロジェクトに「クラスVI」許可案を発行CCSの社会実装を加速
出典:U.S. Environmental Protection Agency

米国環境保護庁(EPA)は2026年3月8日、コロラド州ウェルド郡で計画されている二酸化炭素(CO2)貯留プロジェクト「フロントレンジ1-1(Front Range 1-1)」に対し、地下注入制御(UIC)プログラムに基づく「クラスVI」許可案を発行し、パブリックコメントの受付を開始した。

カーボンストレージ・ソリューションズ(Carbon Storage Solutions LLC)が主導する本事業は、エタノール製造過程で回収したCO2を地中深くの地層に永久隔離するものであり、高品質なカーボンクレジット創出に向けた重要なインフラとなる。

地下約2,700メートルへの永久隔離と貯留規模

本プロジェクトでは、コロラド州ウィンザー近郊の「ライオンズ累層(Lyons Formation)」と呼ばれる地下約8,876〜8,958フィート(約2,705〜2,730メートル)の地層にCO2を注入する。許可案によれば、年間最大12万7,800トンの注入が可能であり、12年間のプロジェクト期間を通じて計154万トンのCO2を安定的に貯留する計画だ。

また、EPAは「注入深度免除(Injection Depth Waiver)」の申請についても評価を進めている。これは、最深部の地下飲料水源(USDW)よりも浅い地層への貯留を例外的に認めるもので、承認されれば運用の柔軟性が高まる一方、より厳格な監視体制が求められる。

州政府への権限移譲と規制環境の動向

現在、米国における「クラスVI」許可の権限はEPAが保持しているが、コロラド州エネルギー・炭素管理委員会(ECMC)は、州政府が直接規制を行う「プライマシー(優先的執行権)」の取得を2025年に申請している。2026年初頭には最終決定が下される見通しであり、本件は連邦政府から州政府への規制権限移譲が進む過渡期における象徴的な案件となる。

周辺地域の飲料水源への影響については、コロラド州公衆衛生環境省(CDPHE)との協議の結果、対象となる深層地層の水質や深度から、現在および将来的な利活用の可能性は極めて低いと結論付けられている。

今後の展望とカーボンクレジット市場への影響

バイデン政権下での「インフレ抑制法(IRA)」による税額控除(45Q)の拡充を受け、米国ではCCS(炭素回収・貯留)プロジェクトの申請が急増している。本プロジェクトのような確実な地中貯留の裏付けがある案件は、除去系(Removal-based)カーボンクレジットとしての信頼性が高く、市場での需要拡大が予想される。EPAは2026年4月8日まで一般からの意見を募り、その後最終的な発行判断を下す。

関連記事:米コロラド州、産業CO2削減に8億円の助成 炭素鉱物化や製造業の電化を加速

米国での「クラスVI」許可の発行ペースは、世界的なカーボンクレジットの供給量と品質を左右する。

特に本案件のように、エタノール由来のバイオジェニックCO2を貯留するモデルは、日本企業が炭素除去(CDR)への投資を検討する際の有力なベンチマークとなるだろう。

州政府への権限移譲が進めば、審査の迅速化が期待され、北米でのCCSビジネスはさらに加速する予測だ。

参考:https://www.regulations.gov/document/EPA-R08-OW-2026-1915-0001

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カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。