ラテンアメリカ・カリブ開発銀行(CAF)は、パラグアイの「SAインパクト・フォレストリー・ファンド(SA Impact Forestry Fund)」に対し、1,500万ドル(約22.5億円)の出資を行う契約を締結した。これは、同銀行によるパラグアイへの初の持分投資であり、同国南部における6万ヘクタールの植林(ARR) プロジェクトを支援するものだ。
このプロジェクトは、劣化し生産性の低くなった土地を、高い収益性を持つ森林 へと転換することを目的としている。これにより、大量のCO2を吸収し、他の温室効果ガス (GHG) の排出を抑制することで、地域および国家に環境的・社会的・経済的な利益をもたらすことが期待されている。
本プロジェクトは、ベラ(Verra)が提供するVCS認証や、森林管理協議会(FSC)などの国際的な持続可能性基準の認証を受けている。現在は、気候変動対策、地域コミュニティ支援、生物多様性保護を同時に評価する「気候・コミュニティ・生物多様性(CCB)基準」の認証取得も進めており、極めて付加価値の高いカーボンクレジットの創出を目指している。
ファンドの運営は、スウェーデンの持続可能な森林管理専門企業であるシルビパーAB(Silvipar AB)と、グローバルな資産運用会社であるアスタルテ・キャピタル・パートナーズ(Astarte Capital Partners LLP)が共同で行う。シルビパーABは、環境省や国家森林庁、地域のNGOなどのステークホルダーと緊密に連携し、対話を通じてプロジェクトのインパクトを最大化させる方針だ。
パラグアイの環境・持続可能開発大臣であるロランド・デ・バロス・バレット(Rolando de Barros Barreto)氏は、「パラグアイは世界最大の自然資本になる準備ができている。森林プロジェクトは現在のニーズに100%合致している」と述べ、この投資を歓迎した。
また、CAFの民間部門担当副総裁であるジョルジ・アルバーチェ(Jorge Arbache)氏は、この事業が伝統的な銀行融資以外の代替的な資金調達手段を創出し、世界の投資家を戦略的プロジェクトへ呼び込む呼び水になると指摘した。本プロジェクトを通じて、地方を中心に3,000人の直接雇用と3万人の間接雇用が創出される見込みであり、同国の経済回復にも大きく寄与する。
CAFは、このプロジェクトを通じてラテンアメリカおよびカリブ海地域におけるカーボンクレジット市場 の発展を後押しし、地域を代表する「グリーンバンク」としての役割を強化していく構えだ。
南米における大規模なARRプロジェクトへの開発銀行の参画は、カーボンクレジットの品質担保(整合性)を重視する国際的な潮流を反映している。
日本企業にとっても、ベラ認証とCCB基準を組み合わせた高品質なクレジットの確保や、途中段階での共同投資は、将来的な調達リスクを抑える有効な戦略となり得るだろう。
参考:https://www.caf.com/en/currently/news/caf-invests-usd-15-million-in-paraguays-forest-fund/