本文へスキップ
最新ニュース
海外ニュース

スイスのセンサー大手センシリオン、ClimeFi経由でCO2除去ポートフォリオを取得 2028年まで供給確保

2026.04.05 更新 2026.04.06 読了 約4分
スイスのセンサー大手センシリオン、ClimeFi経由でCO2除去ポートフォリオを取得 2028年まで供給確保
出典:Sensirion

スイスを拠点とするスマートガスセンサー製造大手のセンシリオン(Sensirion)は、炭素除去(CDR)の調達・管理プラットフォームであるクライムファイ(ClimeFi)と連携し、耐久性の高い炭素除去(CDR)の分散型ポートフォリオを取得したと発表した。

供給は2028年まで確保されており、同社のネットゼロ戦略の中核に位置づけられる。

3つのCDR技術を横断するポートフォリオ構成

今回取得したポートフォリオは、以下の3つの炭素除去(CDR)技術経路で構成される。

直接空気回収(DAC)は、高度なフィルタリングシステムを使用して大気中から直接CO2を回収し、地下に長期貯留する技術である。生物起源炭素除去・貯留(BiCRS)は、炭素を豊富に含むバイオマス廃棄物を安定した長期貯留層に貯留することで、大気へのCO2再放出リスクを低減する手法である。

炭素鉱物化はCO2を安定した鉱物または炭酸塩物質に変換し、固体形態で炭素を長期固定する技術であり、高い耐久性が特徴とされる。

センシリオンは、この3経路の組み合わせにより、新興技術に特有の供給リスクを分散しつつ、長期的かつ信頼性の高い炭素除去(CDR)調達を実現している。

スイス政府のネットゼロ目標に沿った気候戦略

センシリオンはスイス連邦政府の2050年ネットゼロ目標にコミットしており、全世界の事業拠点において自社設置の太陽光発電および再生可能エネルギー由来の電力を活用することで、温室効果ガス(GHG)排出の抑制・削減に取り組んでいる。

今回のクライムファイとの連携は、技術的に削減が困難なハード・トゥ・アベイト残余排出量への対応策として位置づけられる。センシリオンのシニアマネージャー(コーポレートプロジェクト担当)であるロアン・ナム(Loan Nham)氏は「クライムファイは、我々のネットゼロコミットメントに不可欠な、信頼性の高い長期的な耐久性のある炭素除去供給の確保において重要な役割を果たしている。その透明性の高い継続的なポートフォリオ管理アプローチにより、新興技術に伴う供給リスクを効果的に軽減できた」と述べた。

クライムファイが提供するポートフォリオ管理機能

クライムファイはCDR調達に特化したプラットフォームであり、複数の技術経路・複数年にわたるポートフォリオ構築に加え、能動的・動的なポートフォリオ監視機能を提供している点が特徴である。クライムファイの共同創業者兼CEOであるパオロ・ピッファレッティ(Paolo Piffaretti)氏は「複数の経路と複数年にまたがる多様なポートフォリオを構築・管理することで、センシリオンが耐久性のある炭素除去を長期的な気候戦略の中核に据えるためのアクセスと知見を提供できた」と語った。

センシリオンは欧州・アジア・米州で事業を展開し、1,200名以上を雇用するグローバル企業である。同社は1990年代後半に設立されて以来、スマートガスセンサーソリューション分野における業界リーダーとしての地位を確立してきた。

日本企業にとって本件が示す最大の示唆は、単一技術への集中リスクを回避したCDRポートフォリオ戦略の実効性である。

SBTi等の国際フレームワークが残余排出量に対するCDR活用を事実上求める方向に進む中、DACBiCRS・炭素鉱物化の3経路を組み合わせた分散調達は、技術リスクと供給リスクの双方を制御する合理的なアプローチといえる。

GX-ETSや排出量取引制度(ETS)の本格稼働を控える日本においても、製造業・ハイテク企業を中心に、こうした長期プレパーチェスカーボンクレジット調達モデルの検討が加速する可能性が高い。

参考:https://sensirion.com/jp/company/news/press-releases-and-news/article/sensirion-partners-with-climefi-for-durable-carbon-removal

関連タグ CDR 欧州
カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。