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東急建設とテックシンカー、AIで建材のカーボンクレジット創出を自動化 相模原市オープンイノベーションプログラムに採択

2026.03.11 更新 2026.03.12 読了 約3分
東急建設とテックシンカー、AIで建材のカーボンクレジット創出を自動化 相模原市オープンイノベーションプログラムに採択
出典:イメージ

東急建設は2026年3月6日、神奈川県相模原市が主催する伴走型オープンイノベーション支援プログラム「Sagamihara Innovation Gate 2025」にホスト企業として採択されたと発表した。

AIエージェント活用を専門とするテックシンカーとともに、環境配慮型建材が持つCO2削減・吸収量をカーボンクレジットとして可視化・収益化するシステムの開発を本格始動させる。

建材のCO2価値をカーボンクレジットへ変換

建設産業はセメント製造を中心に多量のCO2を排出する産業であり、環境配慮型建材の普及は脱炭素社会の実現に不可欠とされる。しかし、東急建設が開発中の省CO2建材は従来型に比べてコストが高く、市場での採用が進みにくい構造的課題を抱えている。

今回のプロジェクトは、建材が実現するCO2削減量・吸収量をカーボンクレジットとして定量化し、排出量取引制度(ETS)やボランタリーカーボンクレジット市場での流通を通じて経済価値に転換することで、環境性能が高い建材のコスト競争力を引き上げるビジネスモデルを構築する。

AIが担う評価・算定・申請の一気通貫プロセス

採択タイトルは「眠れる環境価値を掘り起こし、差別化と収益化を図る ~AIで、カーボンクレジット創出に必要な評価・算定・申請プロセスを一気通貫でサポート~」。テックシンカーが持つAIエージェント技術を活用し、測定・報告・検証(MRV)プロセスの自動化を図る。

カーボンクレジットの創出においては、削減量の算定・測定・報告・検証(MRV)が煩雑であることが中小規模の事業者や製造業にとって参入障壁となってきた。AIによる一気通貫の自動化が実現すれば、建材ごとの排出削減量算定から申請書類作成までの工数を大幅に削減できる可能性がある。

まず対象とするのは、セメント系材料を活用した省CO2建材。その後、木材・再生材料など環境配慮型の建築材料全般へ展開し、環境配慮型建材市場全体の活性化を目指す。

法制化の進展が追い風に

日本国内では、GX-ETSが2026年度の本格運用開始を予定しており、大企業を対象とした参加義務化と排出削減目標の認証制度創設を視野に入れた法制化の検討が進む。ETSの本格化は、利用可能なカーボンクレジットの需給逼迫をもたらすことが見込まれており、国内における良質なカーボンクレジットの創出ニーズは急速に高まる段階に入っている。

建設・建材セクターで創出されるカーボンクレジットは、J-クレジット制度への登録や、GX-ETS参加企業によるオフセット利用など複数の活用経路が想定される。今回のプロジェクトが確立する方法論は、建材産業のカーボンクレジット創出における標準的なアプローチとなり得る。

建材セクターからのカーボンクレジット創出は、GX-ETS本格運用を前に国内の供給側を厚くする取り組みとして注目される。特に、AIによるMRV自動化モデルが確立されれば、清水建設・大成建設・鹿島建設などゼネコン各社や、住友大阪セメント・太平洋セメントといったセメントメーカーにとっても応用可能な先例となり、建設バリューチェーン全体のScope1・Scope3削減戦略に新たな選択肢をもたらすだろう。

参考:https://www.tokyu-cnst.co.jp/topics/2934.html

カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。