カナダを拠点とするカーボンクレジット開発大手のカーボン・ダン・ライト(Carbon Done Right Developments Inc.)は、西アフリカのシエラレオネ共和国で進めている大規模な植林(ARR)プロジェクトについて、第三者機関による妥当性確認(バリデーション)を完了し、ベラ(Verra)のレジストリへ最終申請を行ったと発表した。
これにより、同社は高品質なカーボンクレジットの発行を開始できる体制が整った。
今回のプロジェクトは、2023年末に公開された自然由来の回復プロジェクト向けの新プロトコル「VM0047」の下で、世界で初めて妥当性確認を受けた事例の一つとなる。
カーボン・ダン・ライト(Carbon Done Right Developments Inc.)の最高経営責任者(CEO)であるジェームズ・タンジー(James Tansey)氏は、「新プロトコルはカーボンクレジット生産において最高水準を確立するものであり、当社にとって大きな節目となる」と述べている。
本プロジェクトは、カーボン市場の主要な検証機関であるアースフッド(Earthood)によって独立した監査が行われた。監査プロセスでは、プロジェクトの品質、植林された樹木による二酸化炭素の吸収量、およびカーボン権利と地域社会の関与に関する法的枠組みの保証が確認されている。
シエラレオネでのプロジェクトは、初期段階として5,000ヘクタールのエリアを対象としており、今後30年間で最大170万トンの認証済みカーボンクレジットを創出する見込みである。
さらに同社は、このARR事業を少なくとも25,000ヘクタールまで拡大する計画を立てている。この規模まで拡大した場合、創出されるカーボンクレジットの総量は1,000万トンを超える計算となる。
カーボン・ダン・ライトは、プロジェクト開始から最初の20年間に生産されるカーボンクレジットの大部分について、すでに長期のオフテイク契約(引取契約)を締結している。
今回の妥当性確認の完了により、投資エリアの大幅な拡大が可能となったため、カーボン市場の投資家からの関心がさらに高まることが期待されている。同社は2024年12月に開始した私募増資についても、2025年1月末の最終クローズに向けて順調に進展していると報告した。
同社は、ネットゼロ目標を掲げるグローバル企業からの需要に応えるため、シエラレオネのほか、メキシコのユカタン、ガイアナ、スリナムなど世界各地で自然由来のカーボン資産の開発・運営を行っている 。
ベラの新基準「VM0047」の適用は、カーボンクレジットの「質の高さ」が厳しく問われる現在の市場において、強力な差別化要因となります。
シエラレオネのようなフロンティア市場での大規模ARRプロジェクトは、供給不足が懸念される高品質な自然由来除去クレジットを確保したい日本企業にとって、ポートフォリオに組み込むべき重要な選択肢となるでしょう。