カーボントライブ・ラボ(Carbontribe Labs)とNTTドコモビジネスは、水資源管理に関する環境データを第三者証明された一次データとして構造化し、投資判断への活用可能性を検証する共同検討を開始した。実証を経て、2027年前半の商用化を目指す。
検証の対象は、企業活動やサプライチェーンで未活用のまま分散している水資源関連データである。これを構造化したうえで、カーボンクレジットに限定されない多様な事業領域への展開と、将来的な金融的評価との接続可能性を探る。
本取り組みの中核は、水資源改善データを分割可能なデジタル資産(ERC1155)として扱い、ブロックチェーン上に記録する点にある。生成されたデータアセットは、CDP・GRI・S&Pといった国際基準へ自動変換され、そのまま投資家向け情報として接続される設計とされる。
技術基盤を担うのはカーボントライブである。同社のAI・MRV技術およびデータ構造化技術に加え、独自方法論「Carbontribe Standard」を用いて第三者証明データを生成する。同方法論は、英国の国際的な第三者認証機関アースフッド(Earthood)の認証を取得している。NTTドコモビジネスは自社の顧客基盤とマーケットプレースを提供し、両者の組み合わせによりスケーラブルなデータ活用モデルを検討する。
水資源データを投資判断や事業リスク評価に接続する動きは、グローバルで加速している。ISSBによる自然資本の開示基準の整備が進むなか、水資源のインパクトを財務情報と接続されたデータとして取り込む重要性が高まっている。
もっとも、多くの企業では水資源データが分散・未整備のまま投資が十分に活用されていないとされ、本取り組みはこの構造化を一次データの生成段階から担うことを狙う。
本件は、カーボンクレジット分野で蓄積されてきたMRV・第三者検証とデータ資産化の枠組みを、水資源データへ横展開する試みとして位置づけられる。自然資本データの財務接続という既存の潮流上にあり、現時点では実証から商用化への移行を見据えた検証段階にとどまる。
日本国内で発行されるカーボンクレジットは、水関連のコベネフィットを前面に打ち出す例が乏しい。本件の実務的な価値は、こうした検証・データ化の手法を国内で実証したうえで、水資源のコベネフィットを訴求しやすい海外でのプロジェクト組成に転用できるかどうかにかかる。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000132024.html