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独nEHS初回オークション、価格回廊の上限65ユーロで落札

2026.07.02 読了 約2分
独nEHS初回オークション、価格回廊の上限65ユーロで落札
出典:イメージ

ドイツの国内排出量取引制度(nEHS)は7月1日、2026年物として初めてのオークションを実施した。落札価格は価格回廊の上限である65ユーロとなり、落札量は基準量どおりの1,067万1,000nEZ(nEHS証書)だった。運営を担う欧州エネルギー取引所(EEX)が発表した。

nEHSは2021年から2025年まで、25ユーロから55ユーロへ段階的に引き上げる固定価格方式を採用してきた。2026年からは55~65ユーロの価格回廊内でオークションにより価格を決める方式に移行し、今回がその初弾にあたる。

制度上、上限価格での落札時に応札総量が基準量の2倍を超えれば、割当量を最大2倍まで拡大する「65ユーロ・ルール」が適用される。今回の落札量は基準量どおりに収まっており、このルールは発動していない。上限に張り付きながらも、需要が想定の枠を大きく超えるほどには膨らまなかったことになる。

業界分析によれば、コンプライアンス対象事業者の需要は年間オークション枠(1億9,208万nEZ)の消化に向けて早期から積み上がりやすく、初回から上限価格での決着は想定の範囲内だったとの見方もある。もっとも、この水準が今後の週次オークションでも続けば、11月以降の固定価格売却(68ユーロ)や2027年の追加購入(70ユーロ)に近い調達コストへと収斂していく可能性がある。

今回のオークションは、2021年からの固定価格方式、2026年の価格回廊方式、2027年以降の市場連動価格方式という3段階移行の、事実上の初弾でもある。nEHSは2028年に本格稼働するEU ETS2への統合を前提に設計されており、今回の価格形成はその橋渡しとしての性格を持つ。

編集デスクの視点

上限価格への張り付きという事実だけを見れば市場の逼迫を印象付けるが、制度設計の観点では、固定価格方式からの脱却が想定どおりに機能したことの確認に近い。65ユーロ・ルールが発動しなかった点は、需要が上限に達しつつも制御可能な範囲にとどまったことを示している。

nEHSの価格形成が2027年以降のEU ETS2の市場価格に接続される以上、今回の水準はコンプライアンス企業にとって2028年以降のコスト水準を占う先行指標として位置づけられる。

参考:https://www.dehst.de/EN/Topics/nEHS/Sale-and-auction/sale-auction_node.html

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カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。