炭素除去(CDR)の選択肢のなかで、バイオ炭は「今すぐ調達できる、恒久性の高い除去」として関心を集めている。本稿では耐久性の考え方、コスト帯、そして国内 J-クレジットでの位置づけを、買い手が評価する観点から整理する。
バイオマス(木質残さや農業残さ等)を酸素の少ない環境で熱分解し、炭素を安定な固体として土壌などに施用する技術である。植物が大気から取り込んだ炭素を、分解されにくい形で長期間とどめることから、大気中 CO2 の「除去」としてカウントされる。
バイオ炭中の炭素は、条件にもよるが数十年から数百年オーダーで安定とされ、森林吸収に比べて逆転(再放出)リスクが低いと評価されることが多い。買い手にとっては「どれだけ長く固定されるか」が価格と信頼性を左右する。手法ごとの耐久性区分は方法論ライブラリで確認できる。
一般に、バイオ炭は大気直接回収(DAC)より低コストで、森林系より高い水準に位置づけられることが多い。ただし実際の価格は原料・規模・地域で幅がある。最新の水準感は炭素価格を参照してほしい。
国内では、農業分野の方法論(AG-004:バイオ炭の農地施用)として「除去」にカウントされる。海外の除去クレジットに比べ、国内調達・国内活用の説明がしやすい点は、日本企業にとって実務上の利点になり得る。
バイオ炭サプライヤーを見極める際は、原料の由来(廃棄物か専用栽培か)、施用先の管理、そして第三者による検証の有無が要点になる。サプライヤー評価では、除去クレジット創出の活動量を軸に各社を横並びで確認できる。気になる社はショートリストに入れて比較するとよい。