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中国海洋石油集団、海南省で中国初の海洋CCUSに着工 年100万トン超のCO2貯留へ

2026.05.01 読了 約3分
中国海洋石油集団、海南省で中国初の海洋CCUSに着工 年100万トン超のCO2貯留へ
出典:イメージ

中国海洋石油集団(China National Offshore Oil Corporation、CNOOC)は2026年4月11日、海南省の東方1-1ガス田において炭素回収・利用・貯留(CCUS)事業の建設に着手したと発表した。

海洋プラットフォーム上で炭素注入技術を本格的に実証する中国初の事業であり、本格稼働後は年間100万トン超のCO2を地下に永続的に貯留する計画である。

海洋CCUSとガス増産を統合する設計

本事業は、天然ガス生産過程で随伴的に発生するCO2を回収・精製・加圧した上で、ガス層に再注入する仕組みである。注入されたCO2は地層内で駆動圧力として機能し、従来の手法では採掘困難であった天然ガスを押し出す役割を担う。これは原油の増進回収(EOR)を天然ガスに応用したガス増進回収(Enhanced Gas Recovery、EGR)であり、CO2貯留と資源生産を同時に成立させる設計である。

CNOOC海南で本事業の責任者を務めるユー・ファソン(Yu Fasong)は、本事業について「脱炭素プロセスを陸上処理プラントから海洋プラットフォーム上に移し、海洋天然ガス生産における源流での排出削減を実現する」と説明している。陸送および陸上処理を介さない方式により、操業効率と環境性能の双方で改善が見込まれる。

鶯歌海海域インフラとの完全統合

竣工後、本事業は東方1-1ガス田の既存生産インフラと完全接続される。鶯歌海海域に展開する海底パイプライン網の輸送能力を引き上げ、同地域に賦存するCO2含有率の高い天然ガス田の経済的開発を後押しするとされる。CNOOCは東方ガス田群全体の長期安定生産にも寄与する設計だとしている。

中国陸上のCCUSにおいては、関連大手の**中国石油天然気集団(China National Petroleum Corporation、CNPC)**が油田事業における炭素注入実績を蓄積しており、累計100万トン規模の実績を達成済みである。今回のCNOOCの案件は、こうした陸上での知見を洋上展開へ拡張する位置付けとなる。

カーボンクレジット適格性をめぐる論点

本事業のように地中へ永続貯留される技術由来CO2は、炭素除去(CDR)ではなく点源CCS/CCUSに分類される。大気からの直接除去を行うものではないため、国際的なボランタリーカーボンクレジット市場における方法論上の扱いは慎重に区別する必要がある。ベラ(Verra)やゴールドスタンダード(Gold Standard)等の主要レジストリにおいては、CCUS関連の方法論はEGRやEORを含むか否かで議論が分かれており、化石燃料増産に紐付く事業は除外される傾向が強い。中国国内のCCER(中国認証排出削減量)における扱いは別途検討対象であるが、国際的なカーボンクレジット化のハードルは高い。

一方、CCUS事業そのものは中国のネットゼロ戦略および石油・天然ガス産業の脱炭素化において中核的な技術と位置付けられており、本事業は政策的後押しを受けた商業展開の試金石となる。CNOOCは2025年以降、海洋ガス田を中心に追加性および永続性を備えたCCUS案件の段階的拡大方針を打ち出しており、東方1-1案件はその第一弾に当たる。

参考:https://en.gmw.cn/2026-04/14/content_38706140.htm

カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。