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GX-ETS 本格化を控えて──2026年下期にカーボンクレジット調達担当が確認すべき論点

2026.06.30 読了 約2分

2026年度に入り、GX-ETS(GXリーグの排出量取引)は自主参加から段階的な本格運用へと歩みを進めている。排出削減の説明責任が強まるなか、カーボンクレジットの調達担当が下期に確認しておくべき論点を、買い手の視点で整理する。

1. 「何のためのクレジットか」を先に切り分ける

制度(コンプライアンス)の枠組みで認められるクレジットと、企業が自主的なネットゼロ目標(SBTi 等)の中和に用いるクレジットは、目的も要件も異なる。同じ「1トン」でも使い道が違えば選ぶべき品質が変わる。調達に入る前に、社内で用途別に要件を切り分けておくことが出発点になる。

2. 国内 J-クレジットの位置づけ

国内制度である J-クレジットは、森林吸収やバイオ炭のような「除去」と、省エネ・再エネのような「削減」で性質が異なる。自社の目標がどちらを求めているのかを踏まえて選ぶ必要がある。制度価格の水準感は炭素価格で確認できる。

3. 「除去(リムーバル)」への傾斜

ネットゼロの考え方では、削減しきれない残余排出の中和に、恒久性の高い除去が求められる方向にある。除去型は削減・回避型より価格が高くなりやすい一方、説明責任の観点では優位に立つ。手法ごとの耐久性は方法論ライブラリで横断的に確認できる。

4. 下期のアクション

  • 用途(制度対応か自主目標か)別に、必要なクレジット要件を棚卸しする
  • 除去と削減・回避の調達比率について、社内方針を明文化する
  • 制度価格を基準線として持ち、自主的市場の見積もりと突き合わせる
  • 候補となるサプライヤーをサプライヤー評価で絞り、ショートリストで比較する

制度の細部は今後も動く。重要なのは、制度の変化に振り回されないための「自社の調達基準」を先に固めておくことだ。基準さえあれば、案件が来たときに迷わず評価できる。

カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。