本文へスキップ
最新ニュース
海外ニュースNEW

欧州委員会、CRCFバイヤーズクラブの公式サイトを公開

2026.06.30 読了 約3分
欧州委員会、CRCFバイヤーズクラブの公式サイトを公開
出典:イメージ

欧州委員会(European Commission)は、炭素除去・カーボンファーミング(CRCF)規則に基づく認証ユニットの需要を集約するCRCFバイヤーズクラブの公式サイトを公開した。2025年11月の構想発表、2026年5月の初期詳細公表に続く動きであり、枠組みが運用段階へ移行したことを示す。

クラブはバイオエコノミー戦略の一環として位置づけられ、認証済みCRCFユニットの買い手と供給者を結ぶ。狙いは、結果連動型スキームに対する予見可能な需要を生み、民間投資を喚起することにある。

二つの取引トラック

クラブは取引をパーマネントなCDRとカーボンファーミングの二つのトラックに分ける。

パーマネント側ではDACCS、生物起源排出回収・貯留(BioCCS)、バイオ炭炭素除去(BCR)の3方法論がすでに承認済みである。カーボンファーミング側の方法論は鉱質土壌、泥炭地の再湿地化、植林を対象とし、2026年第3四半期の発効が予定される。

2026年の運用はハイブリッドな官民連携モデルを採る。欧州委員会が基盤を整備する一方、年内の案件については最終判断とデューデリジェンスを買い手企業自身が担う。

公的資金とFIDの接続

パーマネント側の眼目は、少数の大型案件に長期のオフテイクを提供し、FID(最終投資決定)への到達を後押しすることにある。資金面ではEUの資金、とりわけイノベーション基金と加盟国の専用資金が優先される。

複数年にわたるオフテイクの確実性は、初期投資のハードルが高いパーマネント除去案件のバンカビリティを左右する要素となる。

一方で、公的資金を梃子にした需要の優先配分は、政府による技術選定の色合いを帯びるとの見方もある。

欧州委員会は2026年12月までに初の協調的なパーマネント除去オフテイク合意の締結を目標に掲げ、秋からは一般向けのウェビナーを開始する。参加を希望する組織は、公開された登録フォームから調達・供給の意向を登録できる。

編集部の視点

本件は制度の新設ではなく、公表済みの枠組みが実装段階へ移った節目である。サイト公開それ自体の新規性は限定的だ。

注目すべきは、需要集約の機能を公的主体が担う設計にある。ボランタリー市場の形式を採りながら、公的資金を需要の核に据えることで、FID前で停滞しがちなパーマネント除去案件の資金到達を後押しする。公的調整を需要側にどこまで組み込むかが、欧州のパーマネントCDR市場の立ち上がりを左右する論点となる。

参考:https://climate.ec.europa.eu/eu-action/carbon-removals-and-carbon-farming/eu-crcf-buyers-club_en

関連タグ 欧州
カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。