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NCCC、檜原村の森林再生事業をカーボンクレジット認証第2号に

2026.07.02 読了 約3分
NCCC、檜原村の森林再生事業をカーボンクレジット認証第2号に
出典:イメージ

一般社団法人ナチュラルキャピタルクレジットコンソーシアム(NCCC)は7月1日、正会員のアイフォレスト株式会社が東京都檜原村で実施する森林再生プロジェクトについて、NCCC Carbon Standardに基づくカーボンクレジット認証を発表した。2023年4月設立のNCCCにとって、今回が認証実績の第2号となる。

対象面積は約17.31ha。認証カーボンクレジット量は1,562.7トン-CO2eで、カーボンクレジットの計上期間は2025年から2045年までの20年間、プロジェクト期間は2025年から2035年までとされている。適用方法論はNCCC-MD0002(新規植林・再植林・植生回復)で、放置人工林の間伐や天然林の保全、針広混交林への誘導を通じて炭素固定機能と生態系機能の向上を図る内容となっている。

本件は東京都「吸収・除去系カーボンクレジット創出促進事業」の採択案件で、アイフォレストを中心にヤマハ発動機、バイオーム、東京建物、九州大学都市研究センターが連携した。MRVには無人ヘリによるLiDAR計測とSentinel-2・MODISの衛星データを組み合わせ、森林構造評価(SCU)や衛星データ評価(Satellite Index)、生物種観測評価(SOU)といった指標で生物多様性・自然資本の価値も併せて評価している。

本件は単独の森林プロジェクトではなく、都の実証事業という枠組みの中で成立した認証案件である。

NCCCは太陽光発電サイトの草地化クレジットで2024年のサステナブルファイナンス大賞を受賞するなど、独自のボランタリークレジット規格として一定の実績を積み上げてきた団体だ。ただし、国内にはJ-クレジット制度が存在し、ベラやゴールドスタンダードといった国際規格も国内案件を扱う中、NCCCのような独自基準を掲げる民間コンソーシアムが並立する状況が続いている。認証基準や方法論の相互運用性が担保されないまま規格数が増えれば、購入者側が品質を見極めるコストが積み上がるという見方も成り立つ。

対象面積17.31ha、認証カーボンクレジット量1,562.7トン-CO2eという規模は、国内の森林由来カーボンクレジット案件としては大きくない。LiDAR計測と衛星データ、複数の生物多様性指標を組み合わせたMRV体制は、量的な効率よりも測定精度と検証可能性を優先した設計と読める。この水準のMRVコストが小規模案件でも成り立つかどうかは、東京都の事業採択による初期費用の負担にどこまで依存しているかに左右される面が大きい。

本件は、既存トレンドの延長線上にある事案として位置づけられる。

LiDARと衛星データ、生物多様性指標を統合したMRV体制を国内の森林プロジェクトで実装した事例として、方法論の社会実装という観点では一定の意義を持つ。

ただし、J-クレジット制度や国際規格が並存する国内市場に、NCCCのような民間規格がさらに加わることで、認証基準の乱立が購入者の品質判断コストを押し上げる論点となる。

高精度MRVのコストが小規模案件でも成立するかは、東京都の事業補助への依存度が薄れた後も質重視の路線を維持できるかを左右する鍵となる。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000141392.html

関連タグ 森林
カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。