損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)は、同社が理事として参画するナチュラルキャピタルクレジットコンソーシアム(NCCC、理事長:馬奈木俊介 九州大学教授)が認証したボランタリーカーボンクレジットを購入したと発表した。自然資本由来のボランタリーカーボンクレジットとしては国内初の取引と位置づけている。
本クレジットは、NCCCが認証した第一号案件である。岡山県赤磐市の太陽光発電設備敷地を草地化し、土壌が吸収したCO2をクレジット化した。
固定手法には、有限会社辻田建機が特許を持つ「ユニティーグリーン工法」を用いる。土壌の緑化を通じて炭素を固定する取組みであり、衛星画像解析やAIを活用してMRVの透明性を確保するとしている。
NCCCは、企業・自治体・研究機関が連携して自然資本の価値を可視化・評価し、カーボンクレジットとして認証する枠組みである。損保ジャパンは2023年度から理事を派遣して運営に加わってきた。NCCCは、本認証規約を世界初の手法によるものと説明している。
損保ジャパンは、本クレジットが炭素固定にとどまらず、土壌の健全化を通じた生態系の保全・再生や、地盤強化による防災・減災にも寄与するとしている。
取引したカーボンクレジットの数量および価格は公表していない。
本件の意義は取引規模ではなく、ボランタリー枠組みを通じて自然資本由来カーボンクレジットの国内市場形成を試みる点にある。
土壌・農地由来の炭素固定は、J-クレジット制度がバイオ炭の農地施用方法論などで既に射程に収め、土地転用時のクレジット補填といった永続性担保の仕組みも備えている。本件が差別化の軸に据えるのは、生物多様性や防災減災といったコベネフィットと、衛星・AIによるMRVを束ねた自然資本クレジットとしての位置づけである。市場が形成されるかどうかは、こうした非炭素価値の定量化と買い手側の評価が、既存のJ-クレジットと並ぶ価格と信頼性を確立できるかに左右される。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000157.000159136.html