ノーダル取引所(Nodal Exchange)はインキュベックス(IncubEx)と共同で、CORSIA、カリフォルニア州、マサチューセッツ州を対象とする環境関連の先物・オプションを新規上場した。物理決済型のカリフォルニア州カーボンオフセット8(CCO-8)先物は、上場直後に初取引が成立した。
今回上場したのは、CORSIA Phase 1適格排出枠(2024-2026)の先物・オプション、DEBs付きカリフォルニア州カーボンオフセット8先物、マサチューセッツ州クリーンピークエネルギー証書先物の3系統である。あわせてワシントン州カーボンアローワンス先物の対象をVintage 2030まで延長した。
両社の環境関連商品は計125本を超える。EEXグループ傘下のデリバティブ取引所として、規制市場向けのリスク管理商品を着実に広げる構図となる。
CCO-8先物はカリフォルニア州大気資源局(California Air Resources Board、CARB)が発行する証書を裏付けとし、カリフォルニア州コンプライアンス商品追跡システム(CITSS)を通じて物理決済される。1契約はCO2換算1,000トンに相当する。
商品名のDEBsは、州内に直接的な環境便益をもたらすプロジェクト由来であることを求めるカリフォルニア州の要件を指す。同州のキャップアンドトレード制度では、遵守に用いるカーボンオフセットの最低半分がこの要件を満たす必要がある。
「8」はCARBが設定する8年間の無効化リスク期間を示し、物理決済におけるベースラインのリスクプロファイルに対応する。
CORSIA Phase 1適格排出枠の先物・オプションは物理決済型で、ICAO(国際民間航空機関)のCORSIA 2024-2026遵守期間の基準に適合するよう設計されている。航空セクターの遵守需要を見据えた商品設計である。
本件は、個別制度ごとに分散していた規制市場のカーボンオフセットや排出枠を、標準化された先物・オプションとして束ねる動きの延長線上にある。物理決済型商品の拡充は、コンプライアンス主体が現物調達と価格変動の管理を取引所インフラ上で完結させる余地を広げる。
ただし、上場商品数の拡大が直ちに流動性や価格発見機能の向上を意味するわけではない。
実需を伴う建玉と継続的な取引が積み上がるかが、これらの商品が規制市場の価格指標として機能するかを左右する。日系の取引参加者にとっては、CORSIAやカリフォルニア州の価格シグナルを取引所経由で取得できる環境が整いつつある点が注視に値する。
参考:https://www.businesswire.com/news/home/20260616190079/en/Nodal-Exchange-and-IncubEx-Expand-Environmental-Product-Suite-With-CORSIA-California-and-Massachusetts-Contracts