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カーボンクレジットの価格をどう読むか──制度価格と自主的市場の違い

2026.07.04 読了 約2分

「カーボンクレジットの相場はいくらか」という問いには、単一の答えがない。制度価格と自主的市場、除去型と削減・回避型では、価格の水準も意味も大きく異なる。買い手が調達の基準線を持つための読み方を整理する。

制度価格(コンプライアンス)

各国・地域の排出量取引(ETS)や炭素税によって形成される価格である。政策が生む「炭素の最低限のコスト感」を掴む出発点になる。世界各地の制度価格は炭素価格で一覧でき、主要 ETS と各国制度を横並びで確認できる。

自主的市場(ボランタリー)

企業が自主的な目標のために購入する市場では、プロジェクトの種別・品質・ビンテージ(創出年)によって価格が大きく分散する。制度価格のような単一の指標が存在しないため、「同種・同品質のもの同士で比べる」姿勢が欠かせない。

除去と削減・回避の差

恒久的な除去(DAC・バイオ炭など)は、排出を避ける削減・回避型よりも一般に高値で取引される。品質と価格はトレードオフの関係にあり、「安いから良い」でも「高いから良い」でもない。自社の目的に照らして必要な品質を先に決めることが、価格判断の前提になる。

買い手の基準線の作り方

  • 制度価格で「最低限の炭素コスト感」を持つ
  • 目的(残余排出の中和か、削減への貢献か)で対象を絞る
  • 比較は同種・同品質に揃える──サプライヤー評価ショートリストで条件を揃えて並べる

価格は「一つの数字」ではなく「複数の物差し」で読むもの。制度価格という下地の上に、目的と品質でフィルタをかけることで、はじめて自社にとっての妥当な水準が見えてくる。

カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。