工作機械大手の株式会社ソディックは2026年3月31日、株式会社横浜銀行を受託・引受先とする「〈はまぎん〉カーボンオフセット型私募債~横浜ゼロ~」を発行した。発行額は10億円、期間は5年。
地域の公共施設・自治体イベントから排出される温室効果ガス(GHG)のカーボンオフセットに直接充当するスキームとしては、全国初の試みとなる。
本スキームの核心は、発行額の0.1%相当(100万円分)のカーボンクレジットを横浜銀行が購入し、神奈川県および横浜市の公共施設や自治体主催イベントで生じるGHG排出量のオフセットに活用するという点にある。購入されるカーボンクレジットはJ-クレジットまたは非化石証書が対象とされており、国内認証制度に基づく環境価値を地元自治体へ還流させる「地産地消型」の環境支援モデルを構成している。
調達した10億円の主資金は、ソディックの中長期的な成長に向けた運転資金に充当される。
ソディックは2026年に設立50周年を迎えた。同社は「横浜の地を拠点に社会の持続的発展に貢献する」をサステナビリティ基本理念として掲げており、今回の私募債発行はその象徴的な取り組みと位置づけられる。
地元の公共活動から発生するGHGを、地元企業の資金調達と連動したカーボンクレジット購入で相殺するという構造は、カーボンオフセットの資金フローを企業ファイナンスと統合した新たな金融設計として注目される。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行体 | 株式会社ソディック |
| 受託・引受 | 株式会社横浜銀行 |
| 発行額 | 10億円 |
| 期間 | 5年 |
| 発行日 | 2026年3月31日 |
| カーボンクレジット購入額 | 発行額の0.1%相当(J-クレジットまたは非化石証書) |
| 活用先 | 神奈川県・横浜市の公共施設・自治体主催イベントのGHGオフセット |
J-クレジットの購入主体を「銀行」とし、その活用先を「自治体のGHGオフセット」に限定するという本スキームは、企業・金融機関・自治体の三者が一体となったカーボンオフセット設計の好例である。
国内カーボンクレジット市場の需要創出という観点からも、地方銀行が私募債スキームを通じてJ-クレジット調達の担い手となるモデルは、他行・他地域への横展開が期待される。
GX-ETSや排出量取引制度(ETS)の本格稼働を前に、こうした「ファイナンスと環境価値の統合型スキーム」の事例蓄積は、日本市場全体のカーボンクレジット流動性向上に貢献し得る。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000142070.html