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飯野海運の船舶向け低炭素燃料方法論VM0053、VerraがVCSで承認

2026.06.24 読了 約3分
飯野海運の船舶向け低炭素燃料方法論VM0053、VerraがVCSで承認
出典:イメージ

飯野海運が開発した海運向け低炭素燃料の方法論「VM0053」が、VerraのVCSプログラムで承認された。スイスのグルッター・コンサルティング(Grütter Consulting AG)の支援のもと策定したもので、低炭素燃料への転換による船舶のGHG排出削減量を定量化し、カーボンクレジット創出を可能にする。

Verraレジストリ上のステータスはActive、発効は2026年6月16日、セクター区分は「7. Transport」である。

算定手法と対象燃料

本方法論は、燃料のライフサイクル全体(Well-to-Wake)にわたる排出量を従来燃料と比較し、削減量を算定する。対象となるのは、グリーン水素およびe-水素、グリーンアンモニアおよびe-アンモニア、e-LNG・e-LPG・e-ディーゼル・e-メタノール等の合成燃料である。

適用範囲は新造船・既存船を問わず、総トン数の制限もない。領海・公海で運航する船舶が対象となる。

飯野海運に限らず他の海運・運送事業者も利用でき、Verraへのプロジェクト登録と第三者認証を経た個別プロジェクトがカーボンクレジットを創出する。

規制主導の海運脱炭素とボランタリー市場

本方法論が生むのは削減系カーボンクレジットであり、大気からのCO2除去を伴うCDR系とは独立した文脈で評価される。

海運の脱炭素は規制が主導する局面に入りつつあるが、その中核は足踏みしている。GHG排出への経済的手法を含むIMOのネットゼロ枠組みは、2025年10月の臨時会合で採択が見送られ、2026年の再協議に持ち越された。

地域レベルの規制は先行する。EUのFuelEU Maritimeはすでに運用に入り、英国ETSは2026年7月から5,000総トン超の船舶へ対象を拡大する。

編集部の視点

本件は、VCSにおける方法論ラインアップの拡充であり、ハード・トゥ・アベイト分野である海運に削減系カーボンクレジットの新規供給源を加えるものとして位置づけられる。

焦点は規制とボランタリー市場の関係にある。IMOの中期対策が採択を見送られ、低炭素燃料の利用が国際的に義務づけられていない現局面では、カーボンクレジットによる経済的インセンティブの追加性は説明しやすい。

ただし、IMOのネットゼロ枠組みやFuelEU、各国ETSが低炭素燃料を実質的に要求する段階に移れば、規制で義務づけられる削減分とカーボンクレジットとして計上する分の切り分けが追加性の論点となる。本方法論の有効期間は、規制の実装スピードが左右する。

参考:https://verra.org/methodologies/vm0053-alternative-low-carbon-fuels-for-shipping-v1-0/

関連タグ Verra
カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。