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バイオ炭CDRカーボンクレジットの累積調達、100万トンを突破 スイスのAltitudeが第6弾取引を締結

2026.03.29 読了 約4分
バイオ炭CDRカーボンクレジットの累積調達、100万トンを突破 スイスのAltitudeが第6弾取引を締結
出典:Altitude Carbon

スイスを拠点とするカーボンクレジット投資会社、アルティチュード(Altitude)は2026年3月24日、ボリビアの持続可能包装・リサイクル企業エンパカル(Empacar S.A.)から30万5,000トン超のバイオ炭由来CDRカーボンクレジットを調達すると発表した。

これにより、同社の累積調達量は100万トンを超え、バイオ炭分野の大手カーボンクレジット投資会社として存在感を確立した。

第6取引の詳細、ボリビアからの大規模調達

エンパカルはボリビアの有力複合企業グループの一員であり、PET素材のボトル・トゥ・ボトル再資源化プラットフォームなど南米でも先進的な循環型経済インフラを運営してきた企業だ。同社の新たなバイオ炭プラットフォームでは、林業・農業廃棄物を原料として先進的な熱分解技術(パイロリシス)によりバイオ炭に転換し、炭素を長期安定的に固定する。

今回調達されるCDRカーボンクレジットは、プロアース(Puro.earth)のレジストリ(登録簿)またはそれと同等の方法論のもとで発行される予定であり、初回デリバリーは2026年中を見込む。バイオフラックス(Bioflux)が技術的なベストプラクティスの実装と事業スケールの最適化を支援する。

アルティチュードのCEOであるダニエル・ベンヤミン・シュルツ(Daniel Benjamin Schulz)氏は「ボリビアにおける高品質なバイオ炭プロジェクトからCDRカーボンクレジットを調達することで、廃棄物管理と重要地域での成長に貢献できる」と述べた。

100万トン達成までのポートフォリオ構成

アルティチュードが初取引から1年余りで達成した100万トン超の累積調達量は、以下6件の取引によって構成される。

フィリピン・インドでは、アルコム(Alcom)のプロジェクト群を通じて36万トン超を確保。アルゼンチンでは、エコガイア(EcoGaia)とエミシオネス・ネウトラス(Emisiones Neutras)から合計16万5,000トン超を調達した。西アフリカではアセント1(Ascent 1)施設との2件の契約で合計約14万5,000トン東南アジアではグリーングロウ(Greenglow)のプロジェクトから5万トン超を確保している。そして今回、ボリビアのエンパカルからの第6弾取引により30万5,000トン超が加わり、累積100万トンの大台を突破した。

バイオ炭市場の現状、耐久性CDRの中心軸

バイオ炭は現在、世界のCDRデリバリー全体の約80〜86%を占める支配的な除去系カーボンクレジット経路であり、技術的成熟度と永続性の高さから市場信頼を獲得している。

個別案件のスケールも急速に拡大しており、マイクロソフト(Microsoft)は最近、エクソマッドグリーン(Exomad Green)との間で単独124万トンのバイオ炭CDRカーボンクレジット購入契約を締結したことが報じられている。アルティチュードの累積100万トン突破は、単一取引ではなく6件の長期調達契約(オフテイク契約)の積み上げによるものだが、この比較が示すように、バイオ炭市場における取引規模そのものが急速に拡大している。

長期オフテイク契約は、プロジェクトが銀行融資を確保し事業を拡大するうえで欠かせない「銀行融資適格性(バンカビリティ)」の基盤となる。安定的な収益見通しを担保することで、CDRインフラへの民間資本流入を促す構造的な役割を果たしている。

バイオ炭CDRカーボンクレジットの累積調達100万トンという数字は、日本企業にとっても無視できない基準値だ。Scope3排出量削減の選択肢として除去系カーボンクレジットへの関心が高まる中、耐久性と測定・報告・検証(MRV)の信頼性でバイオ炭は一頭地を抜く存在になりつつある。

ただし国内市場でのバイオ炭カーボンクレジット供給は依然限定的であり、南米・東南アジア発のプロジェクトとの長期オフテイク契約を早期に検討することが、調達コスト管理と品質確保の両立につながるだろう。

参考:https://www.altitudecarbon.com/news/altitude-partners-with-empacar

関連タグ CDR バイオ炭
カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。