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アスファルトを炭素貯留装置に ヴェルデとアイソメトリック、インフラ型CDRクレジットの新カテゴリー創出へ

2026.05.01 読了 約4分
アスファルトを炭素貯留装置に ヴェルデとアイソメトリック、インフラ型CDRクレジットの新カテゴリー創出へ
出典:Verde Resources Inc.

米ヴェルデ・リソーシズ(Verde Resources Inc., OTCQB:VRDR)は4月27日、炭素除去(CDR)認証機関のアイソメトリック(Isometric)と戦略的提携を結んだと発表した。

両社は、ヴェルデが開発するバイオ炭混合アスファルト技術「BioAsphalt™」を通じて生成される炭素除去クレジットの認証と商業化を、北米および世界市場で加速させる。

ヴェルデの戦略は、独自に設計したエンジニアード・バイオ炭を道路建設材料に統合することで、日常インフラそのものを長期間にわたる炭素貯留媒体へと転換する点にある。バイオ炭はアスファルト中で物理的・化学的に固定され、舗装の耐久性能と気候便益を同時に実現する設計となっている。

200年から1,000年超の貯留耐久性

アイソメトリックの「バイオ炭生産・貯留プロトコル」は、ライフサイクル全体の物質収支会計、厳格な原料基準、先進的な耐久性定量化を要求する高水準の方法論である。同プロトコル下では、舗装などの建設環境で使用されるバイオ炭は200年から1,000年超の貯留耐久性区分で認証可能であり、最上位区分は実測された不活性炭素分に基づき「実質的に永続」と評価される。

ここで重要なのは、本スキームがCCSではなく真正な大気中CO2除去(CDR)に該当する点である。バイオマス由来の炭素を熱分解により安定化させ、インフラに長期固定するこの経路は、ICVCMが定めるコアカーボン原則(CCPs)が要求する永続性追加性の双方を満たし得る、数少ない技術由来CDRの一つとして位置づけられる。

サプライチェーン全体の認証審査

ヴェルデはサプライチェーン全体の検証も並行して進めている。

米国のサプライパートナーであるバイオチャー・ソリューションズ(Biochar Solutions LLC、BSL)のカリフォルニア工場は、すでにアイソメトリックのプロトコルに基づく審査を完了した。バイオチャー・ソリューションズは、アスファルト用途向けにヴェルデのエンジニアード・バイオ炭をホワイトラベルで供給する役割を担う。同時にヴェルデの自社施設であるボルネオの「BioFraction™」プラントも、同プロトコル下での監査・検証プロセスにある。

これにより、原料調達・生産・耐久性に関する厳格な要件を満たすトレーサブルなバイオ炭サプライチェーンが構築されることになる。アイソメトリックは、AIを活用した認証技術「Certify」を通じて、自動データチェックとオープンAPIによる継続的データ提出、標準化された炭素会計、認証発行の迅速化を実現している。

110ヶ国に広がる商業化基盤

今回の提携は、ヴェルデが米エルゴン・アスファルト・アンド・エマルジョンズ(Ergon Asphalt & Emulsions, Inc.)と進める商業化提携の起爆剤として位置づけられる。エルゴンは110ヶ国にまたがる生産・流通網を有しており、アイソメトリックの高インテグリティ認証プラットフォームと組み合わせることで、ヴェルデは「インフラを基盤とした永続性の高い炭素除去」という新たなカテゴリーを開拓する。

ヴェルデのジャック・ウォン(Jack Wong)CEOは「アスファルトに統合される炭素が最高水準のインテグリティ、耐久性、信頼性を満たすことを担保する画期的一歩だ」と述べた。一方、アイソメトリックのパートナーシップ・マネージャーであるデヴィッド・アームストロング(David Armstrong)氏は「バイオ炭は最も拡張可能な炭素除去経路の一つであり、アスファルトのような建設材料は炭素を永続的に固定する理想的な貯留媒体だ」と評価している。

なお、アイソメトリックは150以上のプロジェクト開発者と提携し、これまでに1,000万トン超の炭素除去認証を担うことが選定されている。発行されるカーボンクレジットはコンプライアンスカーボンクレジット市場ボランタリーカーボンクレジット市場の双方で取引可能な設計であり、主要なグローバルカーボンクレジット取引所での流通も想定されている。

ヴェルデは中長期的に、自社のネットゼロ・インフラ・モデルをグローバルにライセンス展開する方針で、シンガポールを起点にアジア太平洋地域、その他地域への拡大を視野に入れる。

参考:https://www.prnewswire.com/news-releases/verde-and-isometric-aim-to-scale-high-integrity-carbon-credits-through-infrastructure-302753700.html

関連タグ CDR Isometric
カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。