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TencentのCarbonX 2.0、気候技術16チームに約3,000万ドル

2026.06.26 読了 約3分
TencentのCarbonX 2.0、気候技術16チームに約3,000万ドル
出典:テンセント

テンセント(Tencent)は6月24日、気候技術支援プログラム「CarbonX 2.0」の選定16チームを発表した。総額約3,000万ドル(約48億円)の触媒的資金に加え、技術リソース、事業ネットワーク、実証サイトへのアクセスを提供する。発表はロンドン気候行動週間2026の一環として、ロンドン科学博物館でTEDとの共催イベントで行われた。

応募は54カ国から660件に上り、50チームのファイナリストを経て16チームが選ばれた。

4技術領域に10チーム、残り6チームは個別支援

16チームのうち10チームが、CDR、鉄鋼向けCCUS、CCU、LDESの4領域に対応する。残る6チームには、MRV、カーボンクレジット調達コミットメント、グリーンプレミアム補助といった個別支援が提供される。

CDR領域には、エアキャプチャー(Aircapture、米国)、セラ・ミネラル・ストレージ(Cella Mineral Storage、米国・ケニア)、オクタヴィア・カーボン(Octavia Carbon、ケニア)など5チームが選ばれた。鉄鋼向けCCUSは中国とベルギーの2チーム、CCUはカナダと米国の2チーム、LDESは米国の1チームが対象となる。

パイロットは複数地域に分散

選定チームの実証は地理的に分散している。CDRのパイロットはケニア、鉄鋼向けCCUSはセルビアと中国、LDESはモルディブで進む。受賞チームの出身も米国、英国、EU、中国、ケニアなどにまたがる。

なかでもCDRでは、ケニアを拠点とするチームの存在感が大きい。

ケニアでのDAC展開

ケニアのオクタヴィア・カーボンは、DACプラント「プロジェクト・ハミングバード」の展開を加速させる。同社は受賞の約1カ月前にケニアでCO2の地下圧入を実施し、回収から貯留までの一貫した経路を実証したとしている。

ハミングバードはリフトバレーに位置する。フェーズ1を年内に稼働させ、第2世代技術4基で年間480トン規模の除去能力を目指すという。フェーズ2・3で8基を追加し、2027年に年間1,500トン規模へ引き上げる計画としている。同社は年内に、ケニア初となるDAC由来のカーボンクレジット発行を見込む。

一方で、現時点の規模は年間数百トン台にとどまり、メガトン級が語られるCDR市場の需要に対しては実証段階の域を出ない。

オクタヴィアは、東アフリカの大手セメント企業バンブリ(Bamburi)やスタートアップのゼン・カーボン(Zen Carbon)との協業で、ケニアでの鉱物化にも取り組むとしている。

テンセント自社の排出削減

テンセントは同時に、自社の脱炭素進捗も示した。2025年にScope1,2の排出を約240万トンCO2e、Scope3を約26万トンCO2e削減したという。自社データセンターの再生可能エネルギー比率は2024年の49.8%から2025年に83%へ上昇した。AIによる電力需要が拡大するなかでの削減と位置づけている。

編集部の視点

テンセントが約3,000万ドルを16チームに分散して配分する以上、本件は特定技術の規模化を一気に進めるものではなく、企業主導の気候技術支援の延長線上にある。

固有性は、テンセントが資本とネットワークをグローバルサウス、とりわけケニアのDAC集積に振り向ける点である。調達コミットメント主体の市場形成では届きにくかった実証初期の技術と地域に、グラント型の資本が入る構図といえる。

参考:https://www.tencent.com/en-us/articles/2202371.html

カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。