ブラジルの大規模生態系修復企業re.greenと、グローバル製薬大手のノボノルディスク(Novo Nordisk)が、アマゾンの森林修復をめぐる20年間の契約を締結した。ブラジル・パラ州パラゴミナス(Paragominas)の劣化地約500ヘクタールを在来種で修復し、契約期間を通じて87,000トンの除去系カーボンクレジットを創出する。
修復は、地権者との法的拘束力を持つ長期の土地利用契約を基盤とする。地権者はファイナンス期間の終了後も修復地を維持することを約束し、これによって除去のパーマネンスを担保する。アマゾンの在来樹種を用い、自然再生と積極的な植林を組み合わせるほか、最大30%の区画で在来木材の持続的管理を行う。森林の生育と気候・生態系への効果は、現地データとリモートセンシングを併用した継続的なモニタリングで追跡する。
カーボンクレジットはICVCM準拠の科学ベース方法論で認証する。re.greenとノボノルディスクは、初回発行を2031年11月と見込んでおり、2045年まで3年ごとに検証を行う。
注目すべきは、その調達構造である。
契約締結から初回発行まで5年超、契約期間は20年に及ぶ。ノボノルディスクは発行前の段階から修復事業を実質的に支える役割を担う。
本件は、需要家が発行前の長期にわたってプロジェクトを支える長期プレコミット型のカーボンクレジット調達として位置づけられる。20年という契約期間と発行前から続く資金関与は、ディベロッパー側に長期の資金確実性をもたらし、森林修復プロジェクトのバンカビリティを押し上げる。
一方でノボノルディスクは、初回発行まで5年超のあいだカーボンクレジットを手にできず、その間のプロジェクト不履行や永続性の逆転というリスクを負う。これを支えるのが、マイクロソフト(Microsoft)やネスレ(Nestlé)を既存顧客に持ち、2025年にアースショット賞を受賞したre.greenの実績である。長期プレコミット型では、こうしたディベロッパーの実績と信用基盤が調達の成否を左右する。