ニュージーランド一次産業省(MPI)が、同国の排出量取引制度(NZ ETS)における外来種植林の第1回バロット(抽選方式の許可割当)の申請受付を2026年6月19日に開始した。受付期間は7月22日まで。対象は土地利用適性区分(LUC)クラス6に分類される限界地に限られる。
バロットは年2回実施され、年間で最大15,000ヘクタールの許可を割り当てる。1回あたりの割当は7,500ヘクタールで、うち2,000ヘクタールを100ヘクタール以下の小規模申請向けに留保する。許可を取得した事業者は、LUCクラス6上で1989年以降に造成した森林をNZ ETSに登録できる。割当は無作為抽選による。
この仕組みは、2025年10月31日に施行されたETS林業規則の改正に基づく。改正では、土地所有者が保有するLUCクラス1から6の最大25%まで外来種植林をETSに登録できる枠も設けられた。バロットを通じて登録される土地は、この25%枠の外側に位置づけられる。
NZ林野局のジョン・サンダース(John Saunders)林業オペレーション局長は、今回の改正が許可割当の仕組みを確立し、外来種植林がETSに登録できる範囲を明確化したと説明した。
一方で、開発側の反応は鈍い。
業界分析によれば、申請活動は低調にとどまっている。背景には、NZU(NZ排出枠)価格の低迷と市場のボラティリティに加え、許可取得前に植林へ着手できる制度設計があるとされる。供給枠の開設が、ただちに登録需要に結びつく状況にはない。
今回のバロットは、外来種植林のETS参入を限界地へ誘導し、供給ペースを行政側が管理する設計の運用開始と位置づけられる。植林適地をLUCクラス6に絞り、抽選と小規模枠の留保を組み合わせた点に、量的拡大よりも土地利用の配分を制御する政策意図が表れている。
ただし、制度設計の精緻化と市場の実需は別の問題である。価格低迷下で申請が低調な現状は、供給側の枠組みを整えても登録を駆動するのは制度ではなく価格水準であることを示す。限界地誘導という設計思想が機能するかは、今後のNZU価格の回復が左右する。
参考:https://www.mpi.govt.nz/news/media-releases/first-ets-ballot-opens-for-exotic-forestry-on-marginal-land