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Air Products、ルイジアナ州のCCS事業「LCEC」を中止

2026.07.02 読了 約3分
Air Products、ルイジアナ州のCCS事業「LCEC」を中止
出典:イメージ

米エア・プロダクツ(Air Products)は6月30日、ルイジアナ州で計画していたLouisiana Clean Energy Complex(LCEC)事業を中止すると発表した。同社は2026会計年度第3四半期に、資産評価減や契約解除費用を中心とする税引前29億ドル(約4,713億円、税引後ベースで約22億ドル、約3,575億円)以下の費用を計上する。中止の理由について同社は、期待される財務リターンが自社の投資基準を満たさなかったためとのみ説明している。

同時に、アリゾナ州カサグランデで計画していたゼロカーボン液体水素製造拠点など、小規模なクリーンエネルギー関連プロジェクトも中止する。商業条件や個別事業の採算性の悪化に加え、モビリティ向け水素需要の伸び悩みが要因に挙げられている。

ルイジアナ州における既存事業への関与は継続する方針で、同社は同州に18の産業ガス拠点と世界最大規模の水素パイプライン網を持ち、メキシコ湾岸の精製事業者への供給を続けている。

LCECはもともと2021年10月、ブルー水素製造とCCSを組み合わせた大型事業として構想された。二酸化炭素の圧入先としてモーレパス湖の地下が想定されていたが、水質や生態系への懸念から地元自治体や住民の反対が根強く、事業化の過程で摩擦を抱えていたと伝えられている。

一方でエア・プロダクツは同日、ヤラ・インターナショナル(Yara International)との間で、サウジアラビアのNEOMグリーン水素プロジェクト由来の再生可能アンモニアに関する販売・流通契約を最終調整中であることも明らかにした。世界初とされる大規模再生可能アンモニアプラントの製品はヤラの供給網を通じて出荷される見通しで、同社はLCECの中止とは独立した案件と位置づけている。

今回の発表が示すのは、国内の資本集約的なCCS事業からの撤退と、中東における再生可能アンモニア事業の前進が同じタイミングで並んだという事実そのものだ。エア・プロダクツはリターン基準を満たす案件に資本を振り向け、満たさない案件は規模を問わず打ち切るという配分の論理を、国内外の両案件で一貫して示した。

もっとも、これを水素・CCS戦略全体からの後退と読むのは早計だろう。同社は中止理由を個別事業の採算性に限定しており、NEOM案件のように条件が合えば大型投資を続ける姿勢も同時に示している。米国内の大型CCS事業は規制対応や地域合意の負荷が採算性に直結しやすい構造を抱えており、今回の中止はその一例といえる。

参考:https://www.airproducts.com/company/news-center/2026/06/0630-air-products-not-proceeding-louisiana-3rd-q-finalizing-with-yara-neom-renewable-ammonia-sa

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カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。