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ボン気候会合が停滞、対立構図はCOP31へ持ち越し

2026.06.21 読了 約3分
ボン気候会合が停滞、対立構図はCOP31へ持ち越し
出典:unfccc

6月18日に閉幕した国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のボン中間会合(SB64)は、気候ファイナンスと化石燃料の段階的廃止をめぐる対立が技術的作業の進展を阻み、主要論点の多くを11月のCOP31へ先送りした。膠着の長期化により、COP31への政治的圧力が一段と高まる構図となった。

資金と化石燃料をめぐる対立

最大の膠着点は気候ファイナンスである。新規合同数量化目標(NCQG)の枠組みと、先進国・途上国間の資金供給メカニズムをどう接続するかで隔たりが埋まらなかった。

化石燃料の段階的廃止でも、過去の合意にもかかわらず、複数の締約国の弱い政治的意思が実装ルールの策定を阻んだ。

科学的言及をめぐる駆け引きも表面化した。一部の化石燃料産出国がIPCCおよび1.5℃目標への明示的言及を後退させる動きを見せ、EUと太平洋島嶼国がこれに警戒を示した。

カーボン市場への波及

NCQGの停滞は、途上国向けの資金メカニズムとカーボン市場の双方に不透明感を残す。

資金の確実性は、途上国がカーボン市場メカニズムへ本格参画する前提である。供給側の資金的裏付けが固まらない限り、途上国を起点とするカーボンクレジット創出計画は不確実性を抱えたまま推移する。

焦点はCOP31へ

先送りされた論点は、11月にトルコ・アンタルヤで開かれるCOP31に集約される。電化、2035年の国別貢献(NDC)の更新、公正な移行の仕組みが主要議題となる。

ただしCOP31は、議長国をトルコが務める一方、交渉の統括権限はオーストラリアが担う分離型の体制で運営される。

実装の局面で論点を動かす主体が分かれる構造は、合意形成の力学を読みにくくする要因となる。

編集部の視点

今回の停滞は、多国間プロセスの機能不全というより、COP31前の中間会合として想定の範囲にとどまる踏み込み不足と評価できる。

本質は、資金と化石燃料という二つの対立軸が解かれないままCOP31へ持ち越された点にある。ボン会合は政治判断を要する論点を技術的に整理し、首脳級の決断の負荷を下げる場であるが、その機能が地政学的緊張によって損なわれた。

カーボン市場の関係者にとっては、NCQGをめぐる資金接続の不透明さが当面続く点が実務的な含意となる。市場メカニズムの拡大は資金の確度に左右されるため、COP31での資金合意の成否が、途上国を起点とするカーボンクレジット供給の見通しを規定する。

参考:https://unfccc.int/june-un-climate-meetings-2026-updates

カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。