環境省と経済産業省は6月25日、第4回となるAZEC・DCM国際会合をオンラインで開いた。AZECパートナー国のエネルギー関係省庁と環境関係省庁の政策担当者や関係機関が参加し、域内の炭素市場構築に向けて意見を交わした。
本会合は2024年10月の第2回AZEC首脳会合で採択された「今後10年のためのアクションプラン」を受け、2025年5月に立ち上げた政策実務者間の対話である。今回で4回目を数え、定例の対話枠組みとして定着しつつある。
今回の議論の柱は、カーボンプライシングの制度設計を含む炭素市場の発展に置かれた。アクションプランが掲げる「十全性(質)の高い炭素市場の推進」は、域内で生成するカーボンクレジットの信頼性をパリ協定6条の規律と整合させられるかにかかっている。ホスト国側の制度整備とコリ調整が伴わなければ、ダブルカウントの懸念が市場の信認を損なう。
新たなテーマとして気候変動適応政策が加わった。緩和中心だった炭素市場の議論に資金動員の視点を接続する動きといえる。会合ではADB(アジア開発銀行)や各国政府の適応関連の取組が共有された。
一方で、拘束力を持たない実務者対話の積み重ねが、各国の制度設計や6条整合の実装にどこまで反映されるかは見通せないとの指摘もある。
第4回という回数は、AZECの炭素市場対話が理念の共有から制度設計の実務段階に移りつつあることを示す。議題の重心も制度論から品質論へ移り、6条整合とコリ調整という運用の細部が焦点になっている。
日系事業者がアジアでカーボンクレジット事業を組成する局面では、ホスト国の6条実装能力が発行クレジットのバンカビリティを直接左右する。対話の成果がホスト国の制度整備にどこまで翻訳されるかが、日本側が得る実利を左右する論点となる。