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CCSA、欧州8カ国9団体でCCUS政策調整フォーラムを設立

2026.06.29 読了 約3分
CCSA、欧州8カ国9団体でCCUS政策調整フォーラムを設立
出典:イメージ

炭素回収・貯留協会(CCSA)は2026年6月25日、欧州8カ国の9団体が参加する「欧州CCUS国内団体フォーラム」をブリュッセルで立ち上げた。各国の業界団体とブリュッセルの政策当局をつなぐ非公式の対話の場として設計され、CCUS(炭素回収・利用・貯留)の政策・規制枠組みを欧州全体で揃えることを狙う

参加するのは、デンマークのCO2 Hub Europe、フランスのClub CO2、ドイツのCarbon Management AllianzとDeutsche Carbon Management Initiative、オランダのPlatform Carbon Management、ノルウェーのCCUS Innovation、ポーランドのCCUS Poland Association、ルーマニアのCarbon Hub、スペインのPTECO2である。ドイツのみ2団体が名を連ね、8カ国9団体の構成となる。

規制分断と産業空洞化への懸念

フォーラム設立の背景には、CCUS導入の機運が高まる一方で、各国がばらばらに制度を設計し規制が分断するリスクがある。各国が独自の気候目標を掲げ、企業が産業の脱炭素へ資本を振り向けるなかで、国内の業界団体が政策形成と市場障壁の特定の最前線に立たされてきた。中央の取りまとめ役が不在のままでは、こうした団体が各国の規制の枠内で孤立して動くことになる。

CCSAは、CCUSの整備が遅れれば数十億ユーロ規模の商業プロジェクトが最終投資判断に至らず、重工業がEU域外へ流出しかねないと警告してきた。フォーラムは個別団体を一つの協働の枠組みに束ね、導入の実務知見と市場設計の手法を共有することで、この流れに対抗する位置づけにある。CCUS団体がまだ存在しない欧州諸国に対しても、技術データを提供して立ち上げを後押しするという。

越境CO2インフラの標準化

もう一つの軸が、国境を越えるCO2の輸送・貯留インフラの標準化である。回収から輸送、貯留までを一国で完結させられる国は限られ、貯留適地を持つ国と排出源を抱える国とでルールが食い違えば、液化CO2をパイプラインや船舶で運ぶ事業そのものが成り立たない

産業由来のCO2を数百万トン規模で回収する取り組みは、もはや局地的な技術課題ではなく、欧州大陸全体のインフラ問題へと移っている。CCSAは、政治的な実行を各国で同期させる必要があると整理し、フォーラムをそのための調整チャネルとして機能させる構えだ。

編集部の視点

本フォーラムの設立は、CCUSが個別技術の実証段階から、国境を越えるインフラ整備の段階へ移ったことを業界側が追認した動きと位置づけられる。貯留適地を持つ北海沿岸国と、排出源を抱える内陸国の利害をどう調整するかが、商業プロジェクトの最終投資判断を左右する局面に入っている。

ただし、フォーラムは拘束力を持たない非公式の枠組みにとどまる。各国の制度設計を実際に収斂させられるかは、参加団体が母国の政策当局をどこまで動かせるかにかかっている。器を先に用意した段階であり、その実効性は各国の規制当局の対応が決める。

参考:https://www.ccsassociation.org/news/ccsa-launches-the-european-ccus-national-associations-forum-to-strengthen-collaboration-across-europe/

関連タグ CCUS 欧州
カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。