アフリカ東部のタンザニア政府は、気候変動対策として約4億6,390万ドル(約700億円)を確保したことを発表した。これは、2024年のCOP29で誓約された7億2,260万ドルのうちの主要部分であり、同国の環境保全・気候適応事業に本格的に投下される。プロジェクトは2025年3月からすでに始動している。
タンザニアは、温室効果ガス削減への貢献と地域経済の活性化を両立させるため、カーボンクレジット取引の拡大にも積極的に乗り出している。4月25日、国家議会で演説したハマド・マサウニ国家担当大臣は、COP29の成果として以下を挙げた。
また、すでに10地区で1,680万ドルのカーボンクレジット収益が住民に分配されたことを明らかにした。
しかし一方で、CAG報告書は重大な課題を浮き彫りにしている。2023年1月から2024年7月までに得られたカーボンクレジット収益は1,340万ドルにとどまり、推定可能収益4億6,840万ドルのわずか3%だった。
CAGの分析によれば、主なボトルネックは以下の通り。
登録された56件の炭素プロジェクトのうち、実際に稼働しているのはわずか4件という現実も判明。カーボンクレジット取引が国の財政と地域開発に貢献するためには、制度と実行力の両輪が求められている。
政府は、こうした課題を踏まえたうえで、2025/26年度の国家予算案において3,040万ドルを森林・生態系保全に充当。
また、タンザニア本土とザンジバルの両地域での取り組みを強化すべく、これまでにザンジバルには1,830万ドルが支出されており、今後は教育・医療・インフラ開発にも7,435万ドルが投入される。
議会のユニオン問題委員会を率いるジョセフ・ムハガマ委員長は、政府に対して「気候関連プロジェクトの実行資金の即時執行と、成果の監視強化」を強く求めている。
タンザニアの気候変動戦略は、森林カーボンクレジットを軸とした地域主導型のレジリエンス構築を目指しており、今後の制度設計と技術パートナーシップの動向が注目される。