アイオワ州公益事業委員会(IUC)は2026年7月2日、サミット・カーボン・ソリューションズ(Summit Carbon Solutions)が計画する二酸化炭素(CO2)パイプラインの許可条件を変更する命令を発出した。ノースダコタ州とサウスダコタ州それぞれの個別承認取得を着工の前提とする従来の州名指定条件を削除し、経由する州を問わず貯留サイトへの経路を確保したことの証明を求める内容に置き換えた。アイオワ州内での着工禁止そのものは維持される。
IUCは2024年8月、アイオワ州内約688マイルの本線区間についてサミットに許可を発給した。ただし同許可には、ノースダコタ州での貯留サイト関連の承認とサウスダコタ州での経路承認をいずれも得るまでアイオワ州内で着工できないとする条件が付されていた。
事情が変わったのは2025年3月、サウスダコタ州議会がCO2パイプラインへの収用権(eminent domain、私有地を強制的に取得できる権限)行使を禁じる法律を制定してからである。サミットは同州で許可を得られない状態が続き、当初想定していた州境をまたぐ経路の実現性が失われた。同社は2025年9月15日、州名指定条件を撤廃し、貯留先の州を問わず経路と貯留サイトの確保を証明する内容へと書き換えるようIUCに申し立てた。
この申し立てを受け、ポーク郡地方裁判所は2024年許可命令をめぐる周辺住民やシエラクラブ・アイオワ支部などによる訴訟をIUCへ差し戻した。差し戻しをめぐる不服申し立てに対し、アイオワ州最高裁判所は2026年3月16日付で上訴を退けている。7月2日の命令は、この一連の手続きを経て出された。
サミットは2026年5月13日、対象ルートの見直しも公表済みである。シェルビー郡、ポタワタミー郡、モンゴメリー郡など計8郡を経路から除外し、別途4郡で区間を短縮する内容で、対象地権者は400人超、総延長は約200マイル、それぞれ縮小する。貯留先も従来のノースダコタ州から見直され、ワイオミング州の貯留サイトへネブラスカ州経由でアクセスする計画に切り替わっている。
着工までの障壁は残る。アイオワ・ファーム・ビューロー(Iowa Farm Bureau)は、縮小後の計画について事業としての妥当性を審理で確認するまで収用権の行使を凍結するようIUCに働きかけている。2024年6月の許可命令そのものも、ポーク郡地方裁判所での司法審査が継続中である。
州名指定条件の削除は、着工に向けた手続き上の選択肢を広げる措置であり、着工時期そのものを確定させるものではない。貯留インフラの許認可条件は、州境をまたぐ立法動向の変化に応じて書き換えが続く状態にある。