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CO2を衣類素材へ転換するRubi Laboratoriesが約11億円の資金調達、90億円規模のオフテイク契約を締結

2026.03.19 読了 約3分
CO2を衣類素材へ転換するRubi Laboratoriesが約11億円の資金調達、90億円規模のオフテイク契約を締結
出典:Rubi Laboratories

サンフランシスコを拠点とするバイオテクノロジーのスタートアップであるルビ(Rubi Laboratories)は、二酸化炭素を産業資材に変換する独自の炭素回収・利用(CCU)技術の商業化に向け、750万ドル(約11億2,500万円)の新たな資金調達を実施した。

あわせて、6,000万ドル(約90億円)を超えるオフテイク契約(製品引取合意)を締結したことを発表した。

今回の投資ラウンドは、エーピー・ベンチャーズ(AP Ventures)とエフエイチ・ワン・インベストメンツ(FH One Investments)が共同でリードし、エイチ・アンド・エム・グループ(H&M Group)やタリス・キャピタル(Talis Capital)などの投資家が参加した。

酵素を利用した独自の「CO2 to 素材」技術

ルビの基幹技術は、細胞を使用しない「無細胞酵素プロセス(Cell-free enzymatic process)」に基づいている。このプロセスでは、独自に設計された酵素を触媒として使用し、回収されたCO2を直接、レーヨンやビスコースの原料となるセルロースなどの複雑なポリマーに変換する。

従来の製造方法との主な違いは以下の通りである。

  • 環境負荷の低減
    従来のセルロース生産は木材パルプに依存しており森林破壊のリスクがあるが、ルビの技術はCO2を原料とするため、土地や水をほとんど消費せず、実質的に「カーボンネガティブ」な生産が可能となる。
  • 高い変換効率
    酵素を触媒として使用することで、理論上、投入されたCO2の100%を製品に転換でき、廃棄物を出さないプロセスを実現できる。
  • モジュール型の生産体制
    化石燃料ベースの原料や大規模なインフラに依存する従来型とは異なり、需要家の近くに配置可能なモジュール型システムとして設計されており、供給網の柔軟性を高めることができる。

産業デモンストレーション段階への移行

ルビはこれまでに、エイチ・アンド・エム(H&M)、パタゴニア(Patagonia)、ウォルマート(Walmart)を含む15以上のパートナー企業と素材の性能試験やパイロットプロジェクトを実施してきた。

今回調達した資金は、生産システムを産業用のデモンストレーション段階へとスケールアップするために使用される 。同社は、年間数十トン規模の素材生産を目指しており、将来的にはアパレル業界だけでなく、消費財や航空宇宙産業など、セルロースを必要とするあらゆる産業へのプラットフォーム提供を計画している。

現在、ファッション業界は国際航空や海運の合計を上回る炭素汚染を生み出しているという課題を抱えている。炭素除去(CDR)への関心が高まる中、ルビのような炭素回収・利用(CCU)技術は、排出されたCO2を価値ある資源に変えることで、企業のScope3排出量の削減に大きく貢献することが期待されている。

ルビの事例は、CO2を単に「埋設・貯留(CCS)」するのではなく、高付加価値な「素材(CCU)」として再利用するモデルの経済合理性を示しています。

特に繊維産業が盛んなアジア圏や、排出規制が強化される日本市場において、このようなサプライチェーン内での炭素循環モデルは、今後の脱炭素経営の核となるでしょう。

参考:https://www.linkedin.com/posts/rubi-laboratories_biocatalysis-cellfree-enzymes-activity-7439714569855594497-bdyT

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カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。