本文へスキップ
最新ニュース
海外ニュースNEW

Bio Circがデンマークでバイオガス由来BECCS施設を稼働

2026.06.25 読了 約2分
Bio Circがデンマークでバイオガス由来BECCS施設を稼働
出典:イメージ

デンマークのバイオガス事業者バイオサーク(BioCirc)は、バイオガス生産と統合したCCS施設としては世界最大とする設備を北ユトランドのヴェストヒメルラン(Vesthimmerland)で稼働させた。同社が計画する5件のCCS事業の第1号であり、BECCSプラットフォームの本格始動にあたる。

ヴェストヒメルラン施設は年間32,500トンの生物起源CO2を回収する。嫌気性消化の副産物として分離したCO2を現地で液化し、北海デンマーク領にあるイネオス(INEOS)のグリーンサンド(Greensand)貯留サイトへ船で輸送、海底下深部に恒久圧入する。資金はデンマークエネルギー庁のNECCS基金から調達した。

稼働確認を受け、バイオサークは残る4カ所のバイオガス拠点へ順次CCS設備を展開する。全面稼働時には国内8生産拠点のうち5拠点を網羅し、検証可能なネガティブエミッションの供給能力を拡張する。

既存基盤を活用した除去バリューチェーン

今回の展開で同社が押し出すのは、回収量そのものよりバリューチェーンの構造である。分散配置した上流の農業由来回収と、成熟したオフショア貯留インフラを接続することで、バイオサークは回収から輸送、恒久貯留、カーボンクレジット販売までを一気通貫で結ぶBECCSバリューチェーンを構築した。

この構造は、中核のバイオガス事業に複数の収益源を重ねることを可能にし、炭素除去コスト全体の引き下げにつながる。同社は農業、海運、重量陸送といった脱炭素困難なセクターに対し、低コストで恒久的な炭素除去サービスを供給する立場を得る。

編集部の視点

バイオサークのモデルの要点は、新規の未実証技術に頼らず、償却の進んだ既存バイオガス資産から負の排出を生み出す点にある。設備の多くを流用できるため除去単価を抑えやすく、除去系カーボンクレジットの価格競争で先行する余地がある。

ただし、分散型回収は1拠点あたりの回収量が小さく、液化と海上輸送を伴う物流が単価に上乗せされる。既存基盤の活用がコスト優位に結実するかは、5拠点全面稼働後の供給実績と除去系カーボンクレジット価格の動向に左右される。

参考:https://biocirc.com/news#/embedded/release/15008269/biocirc-abner-verdens-storste-ccs-anlaeg-baseret-pa-biogas-i-vesthimmerland

関連タグ BECCS CCS 欧州
カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。