株式会社ホンダトレーディングは2026年4月1日付で、再生可能エネルギーおよびカーボンクレジット事業の開発を専管する「GX(グリーントランスフォーメーション)事業開発部」を新設した。同時に、資源循環領域の既存機能を統合・拡充した「RC(リソースサーキュレーション)事業部」へと組織を再編した。
Hondaグループの商社機能を担う同社が、環境事業を中核戦略に位置づける姿勢を鮮明にした格好だ。
新設されたGX事業開発部は、バイオマス発電をはじめとする再生可能エネルギー事業に加え、カーボンクレジット事業の構築を主要ミッションとして掲げる。研究開発から市場開拓、パートナー連携、事業化までを同一部門内で一体的に推進する体制とし、顧客企業の脱炭素化ニーズに対応した環境ソリューションの提供を強化する。
これまで複数部門に分散していたGX関連機能を集約することで、意思決定の迅速化とシナジーの創出を狙う。カーボンクレジット事業については、既存のRC領域で蓄積した廃棄物管理・資源回収ノウハウとの連携も視野に入る。
資源循環領域では、従来のRC企画部が担ってきた取り組みを発展的に継承し、廃棄物管理・資源回収から再生材の企画・販売までを一体で担う「RC事業部」へと機能を強化した。実効性の高いサーキュラーバリューチェーンの構築を通じ、顧客の資源有効活用・再生材活用ニーズに幅広く対応する方針だ。
今回の組織再編は、Hondaグループが掲げる環境負荷ゼロ社会へのコンセプト「Triple Action to ZERO」と、ホンダトレーディング自身の長期戦略「2040 Global Vision」に基づくものだ。「脱炭素社会」と「循環型社会」の同時実現を目指し、環境価値と経済価値の両立を事業として具現化する布陣を整えた。
ホンダトレーディングのGX事業開発部新設は、カーボンクレジット事業が大手商社・メーカー系商社においても中核事業として位置づけられ始めた動きの一つとして注目される。バイオマス発電由来のカーボンクレジット創出に加え、グループ内の製造・物流ネットワークを活用したScope3削減支援や自社クレジット供給まで事業が広がる可能性がある。日本企業のGX戦略においてサプライチェーン上のカーボンクレジット調達ニーズが高まるなか、メーカー系商社が直接カーボンクレジット供給者として台頭するシナリオは、今後の国内ボランタリーカーボンクレジット市場の競争地図を塗り替えうる。
参考:https://www.hondatrading.com/news/2026/04/b8a236a20d65793beadd9ce767bd05a6d0303551.html