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藤枝市が森林由来J-クレジットを初認証 官民連携で「地域循環モデル」を構築

2026.05.01 読了 約3分
藤枝市が森林由来J-クレジットを初認証 官民連携で「地域循環モデル」を構築
出典:イメージ

藤枝市、東海ガス、静銀経営コンサルティングの3者は2026年4月28日、藤枝市内の森林資源を活用したJ-クレジット創出プロジェクト「瀬戸ノ谷森林保全プロジェクト」が認証され、市内初となる森林由来カーボンクレジットの発行に至ったと発表した。

森林管理による二酸化炭素吸収量の可視化に加え、木材の流通・利活用までを組み込んだ地域循環モデルの構築を狙う取り組みである。

200ヘクタールから1,002トンを創出

カーボンクレジット創出を担うのは渡辺林業とTMホームの2社で、藤枝市瀬戸ノ谷地区の約200ヘクタールが対象となる。認証期間は2023年4月1日から2025年3月31日までの2年間で、創出量は二酸化炭素換算で1,002トンに達した。2024年3月に登録され、登録期間は2023年4月1日から2039年3月31日までの16年間にわたる。

200ヘクタールから2年間で1,002トンという数字は、ヘクタール当たり年間約2.5トンの吸収量に相当し、森林管理プロジェクトとして標準的な水準にある。

3者連携による役割分担

藤枝市は「ゼロカーボンシティ」の実現を掲げ、2022年度よりJ-クレジット制度への登録費用等を補助する制度を市内事業者向けに設けてきた。本プロジェクトも当該補助制度を活用しての認証取得となる。

東海ガスは創出されたJ-クレジットを活用し、「カーボンオフセット都市ガス」および「カーボンオフセットLPガス」として供給する計画である。供給先には藤枝市庁舎、瀬戸谷小学校・中学校、静かな森のキャンプ場など、市内の公共施設や事業者を想定している。

静銀経営コンサルティングは、J-クレジットプロジェクトの登録・認証から販売に至るまでを一貫して支援する役割を担った。

「地産地消型」カーボンオフセットの設計

本案件の特徴は、創出されたカーボンクレジットがガス事業者を経由して地域内の公共施設や事業者にカーボンオフセット商品として還流する点にある。市内で発生した吸収量を、市内の需要家が消費するエネルギーのオフセットに活用することで、J-クレジットの「地産地消」を実現するスキームと位置付けられる。

3者は今後、J-クレジット認証森林の拡大、市内事業者へのJ-クレジット投資の啓発活動、間伐材活用や森林レジャー利用といった森林資源の利活用を通じ、サステナブルな地域経済の実現を目指すとしている。

森林由来J-クレジットは永続性とMRVコストの観点で評価が分かれやすいが、本案件のように「創出者→自治体系ガス会社→公共施設」と地域内で完結するモデルは、カーボンクレジットの信頼性課題を地域信用で補完する設計と読める。

GX-ETSの本格運用を控え、ボランタリー由来のカーボンクレジットを地域インフラに組み込む先行事例として、他自治体の参照モデルとなり得る。一方、年間500トン規模という創出量は、経済合理性よりも地域経済循環の象徴的価値が前面に立つ取り組みである点には留意が必要である。

参考:https://www.shizuoka-fg.co.jp/news-release/20260428_zAa/260428_NR1.pdf

カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。