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バイオ炭活用の緑化用芝生でJ-クレジット創出へ 3社が国内初の実証

2026.06.30 読了 約3分
バイオ炭活用の緑化用芝生でJ-クレジット創出へ 3社が国内初の実証
出典:イメージ

株式会社TOWING、富士見工業株式会社、株式会社ニチノー緑化の3社は、高機能バイオ炭「宙炭」を活用した環境負荷低減型の緑化用芝生について、開発・栽培実証を開始した。J-クレジット制度の方法論AG004「バイオ炭の農地施用」を緑化用資材へ応用し、カーボンクレジット創出を視野に入れる。

緑化資材に及ぶ脱炭素需要

建設、造園、都市緑化の各分野では、使用する資材のライフサイクル全体でのGHG排出量削減への要求が高まっている。公共工事でも民間工事でも、脱炭素に配慮した資材調達を入札条件や評価項目に組み込む動きが広がりつつある。

こうした需要を背景に、富士見工業とニチノー緑化は造園・緑化事業のサプライチェーン全体でのGHG排出削減方針を掲げ、主要資材である芝生を起点とする手法を模索してきた。

AG004の緑化分野への応用

方法論AG004は農地へのバイオ炭施用による炭素固定を認めるもので、これまでの国内活用は食用作物や花きなど消費を目的とした農産物の生産農地が中心だった。緑化用資材の生産農地での適用は、公開情報の範囲では確認されていない。

同方法論は栽培農地に厳格な要件を課す一方、対象作物を限定しない。緑化用芝生は出荷までの栽培期間において農地で管理される作物としての性格を持つため、要件を満たしうる。3社はこの点に着目した。

実証では、富士見工業を通じて宙炭およびバイオ炭を供給し、ニチノー緑化の契約産地農地に散布・土壌混和したうえで芝生を植え付けた。TOWINGがJ-クレジット制度の活用を主導し、土壌微生物技術を提供する。検証軸は、芝生の生育・根張り・品質への効果、炭素固定量の測定とJ-クレジット創出スキームの確立、施用コストと品質向上・クレジット収益を総合した事業性の3点である。

2027年度のクレジット発行を視野

実証は2026年春に始まり、秋口まで生育状況と土壌状態をモニタリングする。得られた知見をもとに、2027年度を目処にAG004によるクレジット発行を検討する。

3社は、創出したJ-クレジットを造園・緑化工事の発注者や関係業者に販売し、資材調達における脱炭素価値として提供する仕組みの構築を見据える。芝生以外の地被植物や苗木等への展開、業界団体への横展開と標準化への寄与も視野に入れる。

ただし、炭素固定量の定量化やクレジット収益を含む事業性は実証で検証する段階にあり、発行規模や収益性は現時点で確定していない。

編集部の視点

本件の意義は、AG004の適用領域を消費目的の農産物から緑化用資材へと広げる先行事例である点にある。芝生を農地で管理される作物と捉える解釈により、これまで方法論の射程外とみなされてきた緑化資材がJ-クレジット創出の対象になりうることを示した。

参考:https://towing.co.jp/news/20260629_Eco-friendlyt_urf

カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。