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BrineworksがアムステルダムにDAC実証プラント開設、CO2と水素を単一工程で併産

2026.06.10 読了 約3分
BrineworksがアムステルダムにDAC実証プラント開設、CO2と水素を単一工程で併産
出典:<a href="https://www.amsterdamsciencepark.nl/news/direct-air-capture-demo-plant-opens-at-amsterdam-science-park/" target="_blank">Amsterdam Sciencepark</a>

オランダの気候技術スタートアップ、ブラインワークス(Brineworks)が、アムステルダム・サイエンスパーク内に直接空気回収(DAC)の実証プラントを開設した。2026年6月4日に稼働を開始した同プラントは年間最大100トンのCO2回収能力を持ち、1トンあたり100ユーロ(約1万8,400円)未満での回収を目標に掲げる。

特徴は、独自の電気分解技術により、大気からのCO2回収とグリーン水素の製造を単一の電気化学工程で同時に行う点にある。両生成物はそれぞれ、持続可能航空燃料(eSAF)と海運向けe-メタノールの原料となる。

熱制約を回避する電気化学方式

本技術の核心は電気分解装置にある。従来のDACの多くは吸着材の再生に大量の熱エネルギーを要し、これが高コストの主因となってきた。ブラインワークスの方式は海水・大気経路からCO2を抽出する電気化学ループを用いることで、この熱需要を回避し、1トンあたりのエネルギー投入量を抑える設計とする。

装置は風力・太陽光など間欠的な再生可能電力に合わせて柔軟に稼働するよう設計されており、変動電源比率の高い電力系統との親和性が高い。CTOのジョセフ・ペリマン(Joseph Perryman)博士は、単一の電気化学システムでクリーンなCO2とグリーン水素を同時に生成し、コスト見通しを実証しつつあると説明した。

コスト目標は実証段階の見通し

同社は実証プラントの初期データが、目標とするコスト水準と整合的に推移していると説明する。CEOのグドフィンヌル・スヴェインソン(Gudfinnur Sveinsson)は、DACが必要な規模で展開できる水準まで低コスト化するという当初の想定を、初期の数値が裏付けつつあると述べた。

もっとも、提示されたコスト水準はあくまで年間100トン規模の実証プラントに基づく見通しであり、商業規模での実証を経たものではない。

航空・海運の燃料原料を標的に

回収したCO2とグリーン水素は、eSAFおよびe-メタノールの原料として供給される。航空は世界のCO2排出の2.5%、海運は約2%を占め、両セクター合計で約4.5%に達する。いずれも大規模な脱炭素手段に乏しく、低コストの合成燃料原料への需要は大きい。

ブラインワークスは2023年設立で、これまでに資金調達と欧州の助成金を合わせ累計約1,000万ユーロ(約18億4,000万円)を調達した。次の資金調達ラウンドを準備中で、次段階として商業規模パイロットを計画している。

編集部の視点

本件の評価軸は、回収と水素製造を単一の電気化学工程に統合した設計にある。従来DACのコストを押し上げてきた熱エネルギー需要を回避し、二つの生成物で実効コストを按分する構造は、コスト面で既存方式と異なる位置づけにある。

商業規模パイロットでこのコスト軌道を再現できるかが、本技術が合成燃料原料の供給選択肢として成立するかを左右する。

参考:https://www.amsterdamsciencepark.nl/news/direct-air-capture-demo-plant-opens-at-amsterdam-science-park/

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カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。