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インドネシア森林カーボン、規則第6号を受け協会とデベロッパーが連携

2026.06.30 読了 約3分
インドネシア森林カーボン、規則第6号を受け協会とデベロッパーが連携
出典:イメージ

Fairatmos(フェアアトモス)とインドネシア森林事業者協会(APHI)が2026年6月22日、森林事業者の高品質カーボンプロジェクト参入を支援する覚書(MoU)と協力協定(PKS)を締結した。林業大臣規則第6号(2026年)が定めた森林セクターのカーボン取引手続きを、実務へ落とし込む動きである。

締結は、規則第6号の含意を議論するオンライン討論シリーズと並行して行われた。APHI会長のスワルソ(Soewarso)氏、林業省の森林利用事業開発担当ディレクターであるイルハム(Ilham)氏、Fairatmos共同創業者・CCOOのアルナ・プラディプタ(Aruna Pradipta)氏が登壇した。

取引主体としてのPBPH

規則第6号は、森林コンセッション内のカーボン取引承認を申請する正当な主体を森林利用事業許可保有者(PBPH)と定めた。デベロッパーは実現可能性評価、案件設計、PDD作成、バリデーション・検証、モニタリング、買い手開拓といった技術・商業面の支援を担うが、法的・行政的責任はPBPHに残る。

これに加え、改定後の枠組みは国家レジストリへの全量登録によるダブルカウント回避と、国際取引における政府承認の取得を義務づけた、と業界分析は伝えている。PBPHにとっては事業機会と遵守責任が同時に生じる構図となる。

能力構築がどこまで品質を担保しうるか

APHIとFairatmosの連携は、規制上の機会と案件レディネスの間にあるギャップを埋めることを狙う。両者は知識共有、技術的な能力構築、レディネス評価、PBPH向けの助言で協働する。

討論では、森林カーボン案件が早期に直面する課題として、複雑な土地ステータスと土地被覆条件、ベースラインデータの不足、開発コストの高さと変動、炭素価格と市場アクセスの不確実性の4点が示された。これらに早期に対処することが、遅延の回避とバンカビリティの改善につながると位置づけられた。

信頼性ある案件の成立には、炭素ストック評価、生物多様性調査、景観分析、社会影響評価といった現地検証が求められる。FPICを含む地域社会との合意形成も、測定可能な社会・環境コベネフィットを確保するうえで欠かせない要件とされた。対象案件はREDD+、泥炭地再生、IFMが軸となる。

ただし、能力構築はベースライン設定や永続性をめぐる構造的な課題そのものを解くわけではない。

REDD+を中心とする熱帯林クレジットはベースラインの過大設定や非永続性をめぐる指摘が続いており、ガバナンスとデータの整備だけで品質懸念が払拭されるとの見方には慎重論もある。

編集部の視点

本件は森林カーボンの構造転換点というより、規則第6号という制度モメンタムを実務へ翻訳する連携の一例として位置づけられる。能力構築はPBPHの参入障壁を下げ、案件のバンカビリティを底上げする実務的な打ち手であり、規制が事業者責任をPBPHに集約した局面では合理性がある。

その先で問われるのは、アウェアネスからレディネスのさらに先にあるカーボンクレジットのインテグリティである。インドネシアのNbS、とりわけREDD+の品質と永続性をどこまで担保できるかが、本連携の実質的な価値を左右する。

参考:https://www.fairatmos.com/blog/fairatmos-and-aphi-strengthen-forestry-companies-readiness-to-enter-indonesias-carbon-market

関連タグ アジア 森林
カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。