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AnthropicがAI企業として初参加 テック大手連合FrontierがCDRに追加9.15億ドル

2026.06.20 読了 約3分
AnthropicがAI企業として初参加 テック大手連合FrontierがCDRに追加9.15億ドル
出典:Frontier

フロンティア(Frontier)は6月17日、炭素除去(CDR)の購入に向けて追加で9.15億ドル(約1,470億円)をコミットすると発表した。これにより2022年の発足以来の累計コミットメントは18億ドル(約2,900億円)に達する。今回の拠出にはストライプ(Stripe)、グーグル(Google)、ショッピファイ(Shopify)、セールスフォース(Salesforce)、H&Mグループ、そしてアンソロピック(Anthropic)が名を連ねる。

アンソロピックは、対話型AI「Claude」を開発する企業として、同連合に初めて参加するAI企業となった。AIデータセンターの電力消費と排出の拡大に批判が集まるなかでの参入である。

Growth AMCへの移行

今回の拠出は、「Growth AMC」と名付けられた新フェーズに位置づけられる。フロンティアはこれまでの多数の小口購入から、10〜15社への集中的な投資へと軸足を移す。契約は8〜10年のオフテイクを基本とし、最長で2040年まで及ぶ。

さらに、すべての契約に「堅牢かつ長期的な需要への明確な見通し」を要件として課す。コンプライアンス市場、産業規制、政府調達のいずれかによって、契約満了時までに除去トン当たりのコストが回収される道筋を求めるものである。集中投資と長期契約への転換は、フロンティアが供給側の選別段階に入ったことを意味する。

背景にあるのは、需要が必要な規模で本当に立ち上がるのかという問いである。

過去4年間で技術的な実証は進んだ。2025年にはポートフォリオ企業7社が約23,000トンを除去し、前年比で約2倍となった。今年は50,000トン超を見込む。一方で、ギガトン規模に到達するには年間数千億ドル規模の調達が必要となり、その原資の多くは各国の政策に依存する。デンマーク、スウェーデン、オランダ、ドイツ、英国、EU、日本、米国、カナダの9カ国・地域が、すでに需要側の立法を可決している。

市場では大口バイヤーの購入ペース鈍化も伝えられており、今回の拠出は初期需要の下支えという側面も併せ持つ。

AI企業の需要参入

アンソロピックの参加は、CDRの購入を自社排出の相殺手段として位置づける動きである。AIの電力需要が急増するなかで、技術系企業が炭素除去市場の主要な買い手として台頭する構図がいっそう鮮明になった。

一方で、多排出産業によるCDRの購入が、排出源での削減そのものの代替となりかねないとの指摘もある。フロンティア自身も、CDRは削減を置き換えるものではなく補完するものだと繰り返し強調している。

編集部の視点

今回の発表は、CDR市場が供給の創出から需要の確約へと重心を移す転換点として位置づけられる。

とりわけ注目すべきは、電力多消費型の産業であるAI企業が、批判の対象であると同時に有力な需要家として市場に加わった点である。排出が大きいセクターほど、信頼性の高い除去手段への購買力も大きい。その購買力が初期市場の規模を押し上げる効果は無視できない。

加えて、AI開発の社会的影響に明確な立場をとる企業が脱炭素に積極姿勢を示すことは、技術系企業の調達がCDR市場の初期需要を支える構図を補強する。需要が政策によって裏打ちされるまでの数年間、こうした企業の購買意思が市場規模を左右する段階にある。

参考:https://frontierclimate.com/writing/growth-amc

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カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。