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Isometric、保険仲介のHowdenと相当調整保険のRFPを開始

2026.06.16 読了 約3分
Isometric、保険仲介のHowdenと相当調整保険のRFPを開始
出典:Howden

カーボンレジストリのアイソメトリック(Isometric)は、保険仲介グループのハウデン(Howden)と提携し、炭素除去サプライヤー向けに相当調整(corresponding adjustment、CA)保険を募る公開の提案依頼書(RFP)を開始した。保険会社はアイソメトリックに登録されたサプライヤーへCA保険を提供するための承認を申請でき、承認された提供者はアイソメトリックのレジストリに掲載される。

本件は、アイソメトリックが2025年11月にICAO(国際民間航空機関)からCORSIA下での炭素除去証書の発行機関として承認を受けたことを受けたものである。CORSIA適格の除去カーボンクレジットを市場に供給する開発者にとって、保険を通じた標準化された供給経路が整うことになる。

相当調整リスクへの対応

CORSIAのルールでは、炭素除去証書が発行される際、ホスト国が相当調整を行う必要がある。これは当該削減量が各国の目標と国際的な目標に二重計上されることを防ぐための会計上の仕組みである。

CA保険は、証書発行後にホスト国が認可を撤回・反転し、証書がCORSIA適格性を失うリスクに備える。承認されたCA保険を確保した開発者は、アイソメトリックのバッファプールへの拠出に代えて当該保険を用いることができる。RFPを通じて提出された保険は、レジストリの「CORSIAサプライヤー保険ポリシー」に照らして評価される。

アイソメトリックは併せて、相当調整の手続きを簡素化するための標準化された認可書(Letter of Authorization)のテンプレートも公表した。ICAOの要件に整合した雛形を、開発者とホスト国政府に提供する狙いである。

航空需要を背景とした除去市場の整備

今回の動きは、特に航空セクターを中心に、耐久性の高い炭素除去への需要が拡大していることを背景とする。IATA(国際航空運送協会)の試算によれば、航空業界は2050年のネットゼロ達成に向けて年間約5億トンの炭素除去を必要とする。

ハウデンでカーボンアドバイザリーを統括するチャーリー・プール(Charlie Pool)は、耐久性の高い炭素除去への需要が今後数十年で大きく増大すると指摘し、その需要を満たすには質の高いプロジェクトに加え、それらの成長を支える金融・リスク管理のインフラが必要になるとの見解を示した。

編集部の視点

本件は、相当調整に伴うホスト国の撤回・反転リスクを、保険という移転可能な形に再構成する試みとして位置づけられる。バッファプール拠出の代替手段が用意されることで、開発者はバッファ向けの除去量の留保を抑えつつ、適格性リスクを外部に転嫁できる。これは除去系プロジェクトのバンカビリティを左右する要素であり、資金調達の前提条件としてのリスク管理インフラ整備という文脈で評価される。

ただし、保険が吸収するのはあくまで金銭的損失であり、ホスト国の認可という主権リスクそのものが消えるわけではない。保険の引受能力と保険料水準が、CORSIA適格除去カーボンクレジットの実効的な供給コストをどこまで押し下げられるかが、今後の論点となる。

参考:https://www.howdengroup.com/uk-en/policy-approval-corsia-under-isometric

関連タグ CDR CORSIA Isometric 保険
カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。