ノルウェーの2025年排出量は1.2%減、国際カーボンクレジット依存が一段と鮮明に

カーボンクレジット.jp 編集部

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ノルウェーの2025年の温室効果ガス排出量が前年比1.2%減の4,410万トンCO2換算となり、減少は主に運輸部門が牽引した。1990年比では13.9%減にとどまる。

ただし、2030年および2035年の削減目標との隔たりは大きく、目標達成に向けた国際カーボンクレジットの調達とEUとの気候協力への依存が一段と鮮明になっている。

削減を牽引した運輸部門

ノルウェー統計局(SSB)の暫定値によれば、2025年の総排出量は前年から50万トン減少した。減少幅の大半は道路交通由来の排出減である。

背景には新車市場における電気自動車の急速な浸透がある。新車販売に占める電気自動車の比率はほぼ100%に達し、内燃機関車の新車販売は事実上終了した。

一方、ノルウェー環境庁によれば、ETS対象である産業・航空部門の排出は2025年に0.1%減のほぼ横ばいで、総量は2,170万トンCO2換算だった。運輸部門の削減分は、農業をはじめとする非ETS部門の排出によって一部相殺された。

目標達成と国際カーボンクレジット調達

ノルウェーはパリ協定の下で、2030年までに1990年比で少なくとも55%の削減を約束している。さらに国連に提出した更新後のNDCでは、2035年の削減目標を70〜75%へと引き上げた。

問題は、国内排出の削減ペースが欧州の主要国に後れを取っている点にある。

独立系の分析によれば、ノルウェーが法的拘束力を持つ削減目標を形式的に達成するには、国際カーボンクレジットの大量調達とEUとの気候協力に頼らざるを得ない見通しである。国内削減を優先すべきとの立場からは、構造的な削減の遅れを国外調達で埋める手法への懸念も示される。

編集部の視点

1.2%という減少幅そのものは小幅であり、本件の本質は別にある。電気自動車で一部門を脱炭素化した先進国でさえ、法的目標の達成を国際カーボンクレジットの調達に委ねざるを得ない構図が確認された点に意味がある。

これは国際カーボンクレジット市場にとって需要サイドの動向として読み取れる。ノルウェーは国内削減だけでは目標を満たせず外部調達に回る先進国の一例であり、パリ協定6条に基づく国際移転やEUとの協力を通じた需要が、規制市場側の調達圧力を構成する。

同時に、国内の構造的な削減の遅れを国外調達で形式的に埋める手法が削減優先の原則とどこまで整合するかは、評価の分かれる論点である。

参考:https://www.miljodirektoratet.no/aktuelt/fagmeldinger/2026/juni-2026/utslipp-av-klimagasser-gikk-litt-ned-i-2025/