Enchant EnergyとCreekstone EnergyがCCUで基本合意 AIデータセンターのCO2を液体燃料に転換

カーボンクレジット.jp 編集部

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エンチャント・エナジー(Enchant Energy)とクリークストーン・エナジー(Creekstone Energy)は、ユタ州ミラード郡で計画されるハイパースケールデータセンター「デルタ・ギガサイト(Delta Gigasite)」を対象に、CO2回収・利用(CCU)ソリューションを共同開発する基本合意書(LOI)を締結した。

フェーズ1の発電設備から回収したCO2を液体燃料へ転換し、急拡大するAI向け計算需要への電力供給と、その排出対策を一体で設計する構想である。

回収したCO2を液体燃料に転換する構想

本件の特徴は、回収したCO2を地中に貯留するのではなく、プロジェクト現地で液体燃料へ直接転換する点にある。

エンチャントは、CO2を圧縮しパイプラインで輸送して地下に貯留する従来手法に対し、輸送インフラを不要とし、燃料の販売収益を生む利用型のアプローチを採る。転換プロセスでは副産物として水が生成され、データセンター全体の水使用量を抑制する可能性も示されている。

事業設計は、米国の45Q税額控除への適格を前提としている。

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一方で、回収炭素を燃料化する事業の収益前提は、米国のクリーン燃料政策の動向にも左右される。

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オンサイト発電を前提とするデータセンター設計

デルタ・ギガサイトは、複数フェーズを通じて10ギガワットを超えるIT負荷容量を備える計画である。

公共系統への負荷を避けるため、サイトは天然ガス、太陽光、次世代の小型モジュール炉(SMR)を含む自前のオンサイト発電を組み合わせる構成を採る。エンチャントのCCUは、このうち天然ガス発電と直接組み合わされ、発電に伴う排出の削減を担う。

AI向け計算需要の急拡大は、データセンターの電力消費とそれに伴う排出を押し上げており、発電段階での炭素管理を設計に組み込む動きが広がっている。

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ネットポジティブ訴求の根拠

クリークストーンのレイ・コンリー(Ray Conley)CEOは、デルタ・ギガサイトを資源を消費するだけの施設ではなく、州のエネルギー需給に貢献する「ネットポジティブ」な施設として設計したと述べた。

エンチャントのジム・ウルフ(Jim Wolff)CEOは、本件を他のデータセンター事業にも応用可能な、回収炭素からクリーン燃料に至る統合的なエコシステムを開発する機会と位置づけている。

両社は、AI向けの電力を生み出す過程が同時に低炭素燃料の生産を可能にする点を、本構想の差別化要因として強調する。

編集部の視点

本件は、AI向け電力需要の排出対策を、発電とデータセンター設計に統合した事例として位置づけられる。

公共系統に依存しないオンサイト発電と排出対策を一体で設計し、回収炭素を収益源に転じて投資回収を早める枠組みは、急拡大するAI計算需要に対する一つの供給モデルを提示している。

ただし、本件は回収したCO2を液体燃料に転換するCCUであり、除去系カーボンクレジット市場とは独立した文脈で評価する必要がある。燃料の燃焼時にCO2は再び排出されるため、「カーボンアンサー」という訴求が含意するほどの気候効果は見込みにくい。

事業の実効性は、45Q税額控除と液体燃料の販売収益という政策・市場の二つの前提に依存しており、これらの持続性が構想全体の成否を左右する。

参考:https://www.tennessean.com/press-release/story/186413/enchant-energy-offers-a-carbon-answer-to-americas-surging-ai-data-center-demand/