ベラ(Verra)は、VCSプログラムの新規・改訂方法論やモジュール、ツールへと発展させる候補として、11件の方法論アプローチを選定した。
方法論アイデアノート(MIN)の審査を経たもので、選定済みを含め現在開発中の方法論アプローチは計31件にのぼる。
選定された11件は、本来フレア・放散される油田随伴ガスの回収・利用、冷媒システムからのスーパープルータント排出の回避、草地ベース肉牛生産の排出原単位削減、家畜ふん尿管理など、回避・削減系の改訂と新規策定が中心を占める。
加えて、産業排出源からのCO2回収に関するモジュールが複数含まれた。燃焼ベースの産業熱電からの回収、バイオ製品からの回収、産業オフガスのCCUによる燃料化が選定対象となっている。
開発中の31件は、エネルギー・産業分野が12件、自然気候ソリューション(NCS)分野が19件という構成である。
今回の選定では、方法論の精度に直結する横断的なツール・モジュールも対象に含まれた。
追加性ツールの改訂、農地管理系方法論におけるベースライン対照サイトのマッチング、REDDの劣化を扱うモジュールがそれにあたる。
いずれもカーボンクレジットの品質や信頼性をめぐって論点となってきた領域であり、方法論レベルでの補強という性格を持つ。
ベラは方法論候補の評価にあたり、複数の優先基準を設けている。気候緩和ポテンシャルの高さ(運用開始から5年以内に50万tCO2eの削減・除去見込みという閾値)、技術・地域を横断する広範な適用性、持続可能な開発への貢献、そして回避不能な社会・環境・法規制・財務リスクを伴わないことである。
選定された各アプローチの開発は今後1年のうちに着手され、方法論ごとに完成まで1〜2年を要する見込みである。
今回の選定は、改訂されたMDRPに基づく定例的な審査サイクルの一環であり、市場構造を動かす性質のものではない。ただし選定対象に追加性ツールとベースライン改訂が含まれる点には、品質批判への方法論的対応という一貫した方向性が表れている。
一方で、選定基準が掲げる50万tCO2eの規模要件は、こうした厳格化と必ずしも同じ方向を向くものではない。広範な適用性と方法論的厳格性をどの水準で両立させるかが、今回の改訂サイクルの実効性を左右する。
参考:https://verra.org/verra-selects-methodologies-for-further-development-shapes-direction-of-future-climate-impact/