EU ETS(European Union Emissions Trading System)とは、EUが域内の主要な産業施設や航空会社などからの温室効果ガス(GHG)排出量に上限(キャップ)を設け、その範囲内で排出枠を企業間で取引(トレード)できるようにした制度を指します。
「キャップ・アンド・トレード」の代表的な仕組みであり、カーボンプライシングの最も広く活用されている手法の一つです。まずEUが科学的知見に基づき、域内全体の排出許容量(キャップ)を設定します。その範囲内で、対象となる約1万の施設に排出枠(EU Allowances, EUAs)が割り当てられます。企業は、自社の排出実績に応じて枠が不足すれば市場から購入し、余れば売却することができます。1 EUAは1トンのCO₂排出許可量に相当します。
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