CUR8、世界初のCDRオフテイクファイナンス商品発表 カーボンクレジットの販売契約を担保に、即時の現金調達を実現

村山 大翔

村山 大翔

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CDR(炭素除去)マーケット形成を手がけるCUR8は、5月22日、CDRプロジェクト向けの新たなファイナンス商品を発表した。スタートアップや開発事業者が、将来的なカーボンクレジットの販売契約(オフテイク)を担保に、即時の現金やローンを調達できる仕組みである。

CUR8は、CDR開発者が従来直面していた、ベンチャーキャピタル依存や法人契約による資金調達の難しさといった課題を解決する狙いで、この新商品を開発した。カーボンクレジットの契約収益の一部を担保に、非希薄化の形で初期資金を提供する点が特徴である。

この商品には、納品リスクをカバーする保険が付帯しており、競争力のあるローン条件での資金調達が可能となる。CDRプロジェクトは、クレジット発行と同時にキャッシュフローを生み出し、ローン返済が可能になる。また、信用履歴を積み上げることで、今後の銀行融資にも繋げられる。

今回の商品は、2024年にスタンダードチャータード銀行、British Airways、UNDOと共同実施したパイロット案件をベースにしている。このパイロットでは、4,000トン超のCDRがファイナンスされ、仕組みの実効性が確認された。

CUR8のCEO兼共同創業者であるマルタ・クルピンスカ氏は、「炭素除去のスケーリングは21世紀の宇宙開発競争」と述べ、資金調達の革新こそが産業拡大の鍵だと強調している。新商品は地理的にも技術的にも多様なCDRパスウェイに対応し、唯一の包括的なファイナンスソリューションとして位置づけられる。

参考:https://www.cur8.earth/supplier/finance?trk=public_post_comment-text