住友商事が、二酸化炭素(CO2)を回収し貯留することで知られるノルウェーの企業、Inherit Carbon Solutions AS(以下「Inherit」)に出資したことが発表されました。この動きは、CCUS(Carbon Capture, Utilization, and Storage)ビジネスのグローバル展開を加速し、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な一歩とされています。
Inheritは、北欧においてバイオメタン生産者から排出されるCO2を回収し、地中に恒久的に貯留することで、高品質なCO2除去(CDR)由来のカーボンクレジットを発行しています。同社は既にMicrosoftなどの企業と販売契約を結び、2025年からのクレジット発行を目指しています。
住友商事は、Inheritの技術と自社のグローバルネットワークを融合させ、欧米やアジアでのCO2除去クレジットの創出に取り組む計画です。これにより、航空や船舶業界などでの需要増加が見込まれているほか、日本企業への販売も視野に入れています。
また、住友商事グループは、2050年のカーボンニュートラル化を目指し、CCUS分野における事業開発を進めています。今回の出資は、CCUSの早期事業化を目指す戦略の一環であり、将来的にはグローバルな大型プロジェクトの開発にも注力する予定です。
この動きは、カーボンクレジット市場の成長に大きく寄与すると見られており、CO2除去技術の進展と共にカーボンニュートラル社会の実現が一層現実的なものとなるでしょう。
【参照】
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/topics/2024/group/20240122