Everland、コミュニティ主導REDD+向け資金供給ファシリティ「HALO」を始動

カーボンクレジット.jp 編集部

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カーボンクレジットトレーダー兼REDD+マーケターのエバーランド(Everland)は2026年6月5日、コミュニティ主導の森林保全・REDD+プロジェクトに初期段階の資金を供給する新ファシリティ「HALO(Holistic Alignment for Lasting Outcomes)」を立ち上げた。初期目標額は5,000万ドル(約80億円)。

機関投資家の資金を受け入れる前段階にあるプロジェクトへ触媒的資本とブリッジ資金を供給し、投資適格状態まで引き上げることを狙う。

資金供給ギャップへの対応

HALOが照準を定めるのは、コミュニティ主導の森林保全プロジェクトが直面する初期資本と継続資本の不足である。エバーランドによれば、機関投資家の関心は高まる一方で、多くのプロジェクトは機関投資の受け入れ準備が整う前段階にあり、基礎的な開発活動を完了するための資金を確保できていない。

HALOはこのギャップを埋めるべく、有望なプロジェクトへ触媒的資本とブリッジ資金を供給する。プロジェクトがより大規模な資金調達にアクセスし、コミュニティが長期的な収益を確立するための基盤整備を支援する位置づけだ。

ガバナンスとアマゾン・アウトカムボンドからの派生

HALOの初代会長には、地球環境ファシリティ(GEF)の元CEO兼会長で、コスタリカの元環境エネルギー相であるカルロス・マヌエル・ロドリゲス(Carlos Manuel Rodríguez)が就任する。資金調達、ガバナンス、戦略策定を統括する。

HALOは、機関資本の動員を目指す「Indigenous Amazon Outcome Bond」イニシアチブから派生した取り組みである。同イニシアチブは、先住民・伝統的森林コミュニティの優先事項と、カーボンクレジット購入者が求めるインテグリティ要件の双方を満たすことを意図した次世代カーボン標準エクイタブルアース(Equitable Earth)の下で運用される。

このイニシアチブには、ブラジル・ボリビア・コロンビア・ペルーのアマゾン熱帯雨林に広がる1,700万ヘクタール、約90,000人のコミュニティ構成員を擁する23のプロジェクトが参加を表明している。

今後の展開

HALOは現在、初期資本の確保に向けて、慈善・公的・民間の各セクターのパートナーを募集している。

編集部の視点

本件の要諦は、カーボンクレジットの「成果」が確定する前の段階に資本を流し込む仕組みを、最も資金が届きにくいコミュニティ主導REDD+の領域に向けて制度化した点にある。

自然由来プロジェクトの資金調達では、検証済みカーボンクレジットが発行されるまでの初期開発フェーズが最大の隘路となってきた。触媒的資本とブリッジ資金で投資適格性を引き上げ、その先で機関投資家の大規模資本に接続する二段構えは、アウトカムボンドと組み合わせたブレンデッドファイナンスの実装例として、自然由来カーボンクレジットのバンカビリティを底上げしうる。

もっとも、REDD+は過大なベースライン設定や永続性をめぐる批判にさらされ、自然由来カーボンクレジットの信頼性そのものが厳しく問われてきた領域である。HALOが拠って立つエクイタブルアースがコミュニティ中心設計と購入者のインテグリティ要件の両立を掲げる点は、資金供給の前進が品質懸念の解消とどこまで歩調を合わせられるかを左右する。初期資本の動員規模そのものよりも、その資本が信頼に足るカーボンクレジットの創出に結びつくか否かが、本件の実質的な成否を分ける論点となる。

参考:https://www.prnewswire.com/news-releases/former-gef-ceo-carlos-manuel-rodriguez-to-chair-new-forest-finance-facility-launched-by-everland-302792664.html