住友商事、Graphyteとの合弁でCDRクレジット事業に参入

カーボンクレジット.jp 編集部

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住友商事は、米国のCDRスタートアップであるグラファイト(Graphyte, Inc.)と、米国でCDRクレジット事業を展開する合弁会社の設立に合意した。出資比率は住友商事が49%、グラファイトが51%である。

グラファイトは、バイオマス残渣を加工・圧縮・密封して地下に貯留するBiCRS方式でCDRクレジットを創出している。住友商事は本合弁を通じ、同社と共同でCDRクレジットの創出から販売までを手がける。

合弁会社の概要とグラファイトの技術

事業の中核は、グラファイトが米国アーカンソー州で稼働させるもみ殻由来のCDRクレジット創出プロジェクト「Loblolly」である。同プロジェクトは2年以上稼働しており、年間5万トンのCO2を除去できる規模への拡張が進む。

中核技術は「カーボンキャスティング」(Carbon Casting)と呼ばれる。未処理であれば分解してCO2の発生源となるバイオマス残渣を加工・圧縮・密封し、地下に固定する手法で、同社はこのプロセスについて1,000年超の長期固定が可能で、コスト競争力と拡張性を兼ね備えるとしている。

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グラファイトは、ビル・ゲイツ(Bill Gates)が2015年に設立した気候技術投資ファンド、ブレークスルー・エナジー・ベンチャーズ(Breakthrough Energy Ventures)の出資を受けており、同ファンドが筆頭株主となっている。

商社によるCDR供給網の構築

今回の合弁は、住友商事がCDRクレジットの調達・販売にとどまらず、創出側に踏み込む動きである。供給が依然として限定的なCDR市場において、供給網の上流を押さえる狙いがうかがえる。

もっとも、これは住友商事にとって突発的な参入ではない。同社は北欧のInheritへの出資を通じたバイオメタン由来のCDRクレジット創出など、CDR分野での事業基盤を段階的に構築してきた。

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一方で、住友商事の出資比率は49%とマイノリティにとどまり、事業の主導権はグラファイト側にある。商社としての参入形態は、技術・運営を握るスタートアップに資本と販路で接続する構図である。

日本市場への示唆

本事業では、日本郵船を含む顧客へのCDRクレジット納入が予定されている。脱炭素化の手段が限られる海運分野において、長期固定型CDRクレジットの調達ルートが具体化した形である。

日系企業にとって、総合商社がCDRクレジットの創出側に回ることは、高品質クレジットの調達経路が国内商流の内側に組み込まれることを意味する。供給が逼迫するなかで、商社経由の安定調達を確保できるか否かが、除去系カーボンクレジットを用いるネットゼロ戦略の実効性に直結する。

参考:https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2026/group/21320