岐阜・高山市が独自の「G-クレジット」を販売開始 市有林整備によるCO2吸収からカーボンクレジット創出へ

村山 大翔

村山 大翔

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岐阜県高山市は11月26日、同県独自の森林由来カーボンクレジット制度「G-クレジット」に基づき、市有林から創出されたカーボンクレジットの販売を開始した。初回販売分は177トン(t-CO2)で、同市が目指す「ゼロカーボンシティ」実現に向けた施策の一環である。販売収益は森林の維持管理に再投資され、地域内での資金循環と持続可能な森林経営のモデル構築を目指す。

 今回販売されるカーボンクレジットは、高山市が所有する約84ヘクタールの森林を対象としたプロジェクトから創出されたものだ。同市は「清流の国ぎふ森林環境税」を財源とした間伐などの森林整備を実施しており、これにより促進された樹木の成長分を二酸化炭素(CO2)吸収量として数値化している。プロジェクト全体では2025年3月に登録が完了しており、総計で2,458トン(t-CO2)の吸収量が見込まれている。

販売は相対取引(直接取引)方式を採用し、価格は購入希望者との協議により決定される。購入者は取得したカーボンクレジットを、自社のカーボンオフセットやCSR活動に活用することが可能だ。

 「G-クレジット」制度は、国が認証する「J-クレジット」とは異なり、岐阜県が独自に運営する地域限定の制度である。県内で適切に管理された森林によるCO2吸収量を県が認証し、地産地消型の環境価値取引を促進する狙いがある。高山市の担当者は、今回の販売開始にあたり、森林資源の価値を可視化することで山元への資金還元を進める意義を強調している。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000311.000124925.html