日本郵船は、スイスのクライメートテック企業Climeworksと、カーボンクレジット(CDRクレジット)の購入契約を締結した。2026年度から3年間にわたり、複数のCO2除去技術を組み合わせたクレジットを取得するもので、日本企業としては初のClimeworksポートフォリオ顧客となる。
本契約は、日本郵船が2025年初頭に発表した「CDRポジションペーパー」に基づく取り組みの一環。2050年ネットゼロの目標達成に向け、同社はエネルギー効率の最大化や代替燃料導入を進める一方、削減が困難な残余排出への対応として、CDRクレジットの活用を明言していた。
提供されるCDRポートフォリオには、バイオ炭、BECCS、岩石風化(Enhanced Rock Weathering)といった手法が含まれる。これらはClimeworksが選定・検証を行った高品質なCDR技術であり、特にScope1に該当する排出へのカーボンオフセットに充てられる。
ClimeworksはDAC(Direct Air Capture)技術で知られるクライメートテック企業で、2024年4月にはCDRポートフォリオ型サービス「Climeworks Solutions」を開始。企業のニーズに合わせて多様なCDR技術を組み合わせるサービス展開を加速している。
日本郵船は今後も、テクノロジー起点の脱炭素戦略を強化するとともに、バリューチェーン全体での温室効果ガス(GHG)削減を目指し、多角的なCDR活用を進める方針を示している。